2022年10月7日
IHクッキングヒーターのメリットやデメリットは？選ぶ時のポイントも紹介
IHクッキングヒーターは電気の力によって加熱調理をします。ガスコンロと違った調理方法のため、買い替える前にIHクッキングヒーターのメリットやデメリットを知っておくと良いです。
そこで今回は、IHクッキングヒーターのメリットやデメリットを解説します。IHクッキングヒーターの選び方のポイントも紹介しますので、買い替えを検討している方は参考にしてください。
IHクッキングヒーターとは？
IHクッキングヒーターとは、電気の力によって食材を加熱調理できる住宅設備のことです。IHクッキングヒーターのIHとは、induction heating（インダクション ヒーティング）の略で、日本語に訳すると「電磁誘導加熱」という意味になります。
IHクッキングヒーターには磁力発生コイルが搭載されており、電気を流すとコイルの中央を通る円のような磁力線が発生します。磁力線はうず電流となり、鍋をコイルの上に置くと電気抵抗が発生するため、鍋自体が発熱します。
つまり、IHクッキングヒーターは電気の力によって鍋底自体が発熱することで、食材を焼いたり、煮たりできる調理器具になります。
IHクッキングヒーターのメリット
IHクッキングヒーターのメリットは以下のとおりです。
- お手入れがしやすい
- ガスコンロよりも火力が高い
- ガスコンロに比べて安全
IHクッキングヒーターのメリットを順番に解説します。
お手入れがしやすい
IHクッキングヒーターの最大のメリットは、お手入れがしやすいことです。
IHクッキングヒーターはメーカーや機種によって口数や搭載している機能などは異なりますが、基本的にトッププレート(IHクッキングヒーターの上面部)はフラットな形状となっています。
ガスコンロのような五徳は付いていないので、調理後に布巾で拭くだけでも、綺麗な状態を長持ちできます。
五徳は放置していると油や汚れが固まり、綺麗にするのに手間がかかりますが、IHクッキングヒーターだと五徳が付いていないので、面倒な手間が発生しません。
ガスコンロからIHクッキングヒーターに交換すれば、コンロ周りの掃除をする頻度や手間が減るため、ほかの家事や調理に時間を割くことができます。
ガスコンロよりも火力が高い
機種にもよりますが、IHクッキングヒーターはガスコンロよりも火力が高いです。
ヒーターの火力はkwという単位で表しますが、最新のIHクッキングヒーターの最大火力は3.2kwほどあります。最大火力なら、1Lの水を2分程度で沸騰させるほど火力は強いです。
ガスコンロの火力をヒーターで換算すると2.5kwなので、最新のIHクッキングヒーターはガスコンロよりも火力が強いと言えます。
ガスコンロに比べて安全
IHクッキングヒーターはガスコンロと違って火を使わないため、安全性の高い調理器具となります。また、IHクッキングヒーターは鍋底のみを加熱するので、ガスコンロに比べて調理中でも室内が暑くなりにくいです。
火事が起きるリスクが低く、夏場でも暑くなりにくいので、台所に立つ機会が多い方は安心して調理に集中できます。
IHクッキングヒーターのデメリット
IHクッキングヒーターのデメリットは以下のとおりです。
- 使用できる調理器具が限定される
- 停電中は利用できない
- 機種によっては調理が難しくなる
IHクッキングヒーターのデメリットを順番に解説します。
使用できる調理器具が限定される
IHクッキングヒーターの最大のデメリットは、使用できる調理器具が限定されることです。
IHクッキングヒーターはコイルに電流を流すことで磁力線が発生し、調理器具を置くことで電気抵抗が起きて熱を発します。つまり、磁力に反応して熱を持つ調理器具でないと、使用できません。
そのため、IHクッキングヒーターでは基本的に鉄やステンレスを用いた調理器具は使用できますが、銅やアルミ、土鍋、耐熱ガラス鍋などは使用できません。
ただし、最近は調理器具やIHクッキングヒーターが進化しているため、次のようなケースでは使用できる可能性があります。
- オールメタルのIHクッキングヒーター
- IH対応となっている調理器具
オールメタルのIHクッキングヒーターは通常のIHクッキングヒーターよりも電流を多く流すことが可能なので、銅やアルミの調理器具も使用できます。
また、アルミニウムの中に鉄の板やステンレスを埋め込んだIH対応の調理器具なら、通常のIHクッキングヒーターにも反応するので使用できます。
ガスコンロからIHクッキングヒーターに交換すると、現在使用している調理器具は使えない可能性があると覚えておきましょう。
停電中は利用できない
IHクッキングヒーターは電気の力を利用して調理します。そのため、災害やトラブルによって停電していると、利用できません。
停電の規模によってはすぐに回復しないこともあるので、ガスボンベとカセットコンロを用意しておくと良いでしょう。なお、太陽光発電システムや蓄電池があれば、停電中でもIHクッキングヒーターを使用できます。
機種によっては調理が難しくなる
IHクッキングヒーターはガスコンロと温度の上昇の仕方が違います。
ガスコンロの場合は、鍋底全体が均一に上昇します。しかし、IHクッキングヒーターはコイルがドーナツ型をしているため、磁力線の上以外の部分は温度が上がりにくいです。
例えば、ホットケーキをIHクッキングヒーターで焼くと、ドーナツ型の焦げができることも珍しくありません。
また、IHクッキングヒーターはコイルから鍋を離すと、加熱が中断されます。熱源から離して調理することができないので、鍋振りは難しいです。ただし、機種によっては熱源から離しても調理できます。
IHクッキングヒーターを選ぶ時は、どのような機能があり、どんな調理方法が可能なのかしっかりと確認しましょう。
ガスコンロからIHクッキングヒーターに交換できるの？
結論から申し上げますと、ガスコンロからIHクッキングヒーターに交換することは可能です。ただし、交換する際には工事が必要になるので、施工業者に相談しましょう。
工事が必要になる理由は以下のとおりです。
- IHクッキングヒーターには200Vの電力が必要
- 現在のガスコンロによってはリフォームが必要
上記の理由を順番に解説します。
IHクッキングヒーターには200Vの電力が必要
IHクッキングヒーターは電気を利用して調理器具を加熱しますが、現在の商品は200Vの電圧が必要です。分電盤が200Vに対応していない場合は電力会社に相談して工事を行います。
基本的に、最近の住宅は200Vの電圧が利用できる単相3線式のため、電力会社に相談する必要はありませんが、まずは分電盤を開いて確認をしましょう。
現在のガスコンロによってはリフォームが必要
IHクッキングヒーターは卓上タイプ以外だと、ビルドイン型と据え置き型の2種類があります。
| タイプ | 形状 | 特徴 |
|---|---|---|
| ビルドイン型 | システムキッチンに組み込む一体型 | デザイン性や機能性に優れている |
| 据え置き型 | キッチンのコンロ台の上に置く | コンロ台の上に置くだけなので最低限の工事で済む |
現在のガスコンロと同じタイプのIHクッキングヒーターを購入するなら、機種本体や200Vに対応したコンセントなどの取り付け工事だけで設置は完了します。工事費用も本体価格を除けば、60,000円～150,000円程度で済みます。
しかし、現在のガスコンロとタイプの違ったIHクッキングヒーターを設置する場合は、リフォーム工事が必要になります。リフォームにかかる費用は業者によって異なり、キッチンのタイプやサイズによっては100万円を超えることもあります。
ガスコンロからIHクッキングヒーターに交換する際のコストを抑えたい方は、なるべく同じタイプの機種を選ぶようにしましょう。
IHクッキングヒーターの選び方
IHクッキングヒーターを選ぶ時のポイントは以下のとおりです。
- タイプ
- 天板サイズ
- ヒーターの数
- 機能
- メーカー
上記のポイントを順番に解説します。
タイプ
IHクッキングヒーターはビルドイン型、据え置き型、卓上型の3種類があります。
ビルドイン型はシステムキッチンに組み込むタイプで、スタイリッシュなデザインと機能性に優れていることが特徴です。ただし、システムキッチンでないと設置できないので、ガスコンロが据え置き型だとリフォームが必要になります。
据え置き型はガスコンロ台の上に置くタイプです。取付工事の手間や費用が抑えられており、コストパフォーマンスにこだわる方におすすめです。ただし、ヒーターの数は2口が多く、ビルドイン型に比べると機能が少ない傾向があります。
卓上型は台所だけではなく、食卓に持ち運んでも使えるタイプのIHクッキングヒーターです。ヒーターの数は1口しかないため、鍋料理や一人暮らしの方に向いています。
ガスコンロのタイプやライフスタイルに合ったタイプの機種を選ぶようにしましょう。
天板サイズ
ビルドイン型のIHクッキングヒーターはトッププレートのサイズが60cmと75cmの2種類に分かれています。天板サイズがレンジフード幅と同じなら、そのまま交換して取り付けられますが、天板サイズが違うと、次のような問題点があります。
- 天板幅が大きい…レンジフード幅よりも天板幅が大きいと設置できない
- 天板幅が小さい…調理スペースが小さくなり、天板の跡が露出する
ビルドイン型のIHクッキングヒーターを選ぶ時は、天板幅とレンジフード幅に注意すると良いです。
ヒーターの数
IHクッキングヒーターのヒーターの数は、機種によって異なります。ビルドイン型だと1口～4口、据え置き型は1口～3口となっています。
ヒーターの数が多いほど、複数の調理を同時に行えるので、家族の人数が多い方や、品数を多く出したい方はビルドイン型がおすすめです。
機能
IHクッキングヒーターは機種によって機能や特徴が異なります。
例えば、通常のIHクッキングヒーターでは発熱できないアルミや銅に対応したオールメタル対応のIHクッキングヒーターや、プレートが直接熱くなるラジエントヒーターなどがあります。
また、機種によってはグリルやタイマー、揚げ物温度調整機能など、調理に役立つ機能を搭載しています。IHクッキングヒーターを選ぶ時は、搭載している機能や特徴を比較してみましょう。
メーカー
IHクッキングヒーターの基本的な仕組みは共通していますが、メーカーごとに次のように特色が異なります。
- パナソニック…操作性が良く、調理機能が豊富
- 日立…ノンフライや蒸し物などの調理に役立つ
- 三菱電機…加熱に特化した機能を搭載
メーカー独自の機能などもあるので、迷った時は「エコざんまい」にご相談ください。
まとめ
以上が、IHクッキングヒーターのメリットやデメリットの解説になります。IHクッキングヒーターのメリットとデメリットは以下のとおりです。
| メリット | お手入れがしやすい ガスコンロよりも火力が高い ガスコンロに比べて安全 |
|---|---|
| デメリット | 使用できる調理器具が限定される 停電中は利用できない 機種によっては調理が難しくなる |
ガスコンロに慣れていると、IHクッキングヒーターは使いにくいように思えます。しかし、メリットやデメリットをきちんと把握していれば使いこなすことは可能です。
また、IHクッキングヒーターに交換すれば、メリットや機能により台所での料理が快適になるので、買い替えの検討をおすすめします。
「エコざんまい」では、独自の仕入れルートにより正規品を低価格で販売しております。経験豊富なスタッフが工事を担当するので、多くのお客様に満足して頂いております。IHクッキングヒーターの買い替えに興味がありましたら、「エコざんまい」までご相談ください。
