2025年12月22日
ガスコンロからIHへ工事不要で交換!据え置き型の選び方と電源

ガスコンロからIHへ工事不要で交換することは、「据え置き型IHクッキングヒーター」を使えば実現できます。これは、現在のガスコンロがあった場所にそのまま置くだけで使えるタイプです。ただし、交換において最も重要なのは電源の確保です。火力が強い200VのIHを使うには、専用コンセントが必要になることが多いと知っておきましょう。
据え置き型IHは、ガスコンロの撤去後に設置するだけで済むように作られているため、大掛かりな電気配線工事が必要ありません。しかし、IHの最大の魅力である高い火力を利用するためには、高い電圧(200V)に対応できるコンセントがキッチンにあるかどうかを事前に確認する必要があるからです。
例えば、賃貸住宅で200Vの電源がない場合でも、100Vの据え置き型IHを選べば、工事不要でIHのメリット(掃除のしやすさ、安全性)をすぐに得ることができます。ただし、100Vは火力が弱いため、調理方法によっては物足りなく感じる場合があります。
この記事では、工事不要で交換できるIHの種類から、交換の具体的な手順、そして火力を決める電源環境の確認方法までをわかりやすく説明します。この情報をもとに、あなたのキッチンにぴったりのIH交換を実現しましょう。
工事不要でIHに交換できるのは据え置き型だけ
「工事不要」でガスコンロをIHに変えるという目的を達成できるのは、「据え置き型IHクッキングヒーター」という種類の製品に限られます。その仕組みと、工事が必要なタイプとの違いを知っておきましょう。
ガスコンロの代わりに置く「据え置き型」とは
据え置き型IHクッキングヒーターは、その名の通り、キッチン台の上に置いて使うタイプのIH機器です。
- 構造:
ビルトイン型とは違い、本体の底面がそのまま台の上に設置される形です。多くの場合、現在のガスコンロと同じくらいの幅(約60cmまたは75cm)に作られています。 - 設置方法:
古いガスコンロをどかした後、その開いたスペースに据え置き型IHを「置く」だけで設置が完了します。大掛かりな配線工事などは必要ありません。 - 電源:
本体から出ている電源コードを、壁のコンセントに差し込むだけで使えるようになります。この手軽さが、「工事不要」で交換できる最大の理由です。
ビルトイン型IHが工事必須となる理由
据え置き型に対して、キッチン台に完全に埋め込まれる「ビルトイン型IHクッキングヒーター」は、必ず電気工事が必要になります。
- 配線接続:
ビルトイン型には電源コードがなく、本体の裏側で、壁の中を通っている専用の太い電気配線に直接接続する必要があるからです。 - 電気工事士の資格:
この直接接続の作業は、感電や火災の危険を防ぐため、法律によって「電気工事士」の資格を持つ人しか行うことができません。
そのため、「工事不要」を目指すなら、選ぶべきは据え置き型IHと覚えておきましょう。
【最重要】工事不要でIHを使うための電源の確認方法
工事不要でIHに交換できたとしても、使用するIHの電圧と、キッチンのコンセントの電圧が合っていないと、十分な火力を出せなかったり、そもそも使えなかったりします。事前に電源環境を確認することが、最も大切です。
まず確認すべき電圧(100Vか200Vか)の基本知識
日本の家庭で使われる電気には、主に「100V(ボルト)」と「200V」の2種類があります。IHの火力は、この電圧によって大きく変わります。
| 電圧 | 特徴 | 火力 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 100V | 一般的な家電(テレビ、冷蔵庫)と同じ。 | 弱い | 湯沸かし、簡単な炒め物。 |
| 200V | エアコンなどに使われる高い電圧。 | 強い | 本格的な調理、揚げ物、炒飯など。 |
据え置き型IHにも100V用と200V用があります。高い火力で快適に料理したいなら、200V対応のIHを選ぶのが理想ですが、そのためにはキッチンのコンセントも200Vに対応している必要があります。
ブレーカーやコンセントを見て電源環境を知る方法
キッチンの電源環境は、分電盤(ブレーカー)やコンセントの形を見ることで確認できます。
- ブレーカーの確認:
自宅の分電盤(ブレーカーボックス)を開けて、「200V」や「IH」と書かれた専用のブレーカーがないか確認しましょう。もし専用のブレーカーがあれば、200Vの電源が来ている可能性が高いです。 - コンセントの形:
キッチンの壁にあるコンセントが、一般的な縦長二つ穴の形(100V)ではなく、L字型や横長、または特殊な三つ穴の形であれば、200Vの専用コンセントかもしれません。
賃貸住宅の場合は、大家さんや管理会社に直接「200Vの専用コンセントがあるか」尋ねるのが確実な方法です。
ガスコンロからIHに交換する具体的な手順
据え置き型IHを使う場合の交換手順はとてもシンプルです。工事不要で自分で交換する場合でも、ガスの安全管理だけは注意して行いましょう。
手順1:ガスの元栓を安全に閉める方法
交換作業を始める前に、必ずガスを止めなければいけません。
- ガスの元栓を探す:
ガスコンロの裏や、システムキッチンのキャビネットの中にある、ガス管とコンロをつないでいる接続部を探します。 - バルブを閉める:
元栓のコックやバルブを、ガス管に対して直角(横向き)になるように回して閉めます。これでガスがコンロに流れなくなります。 - 注意点:
不安な場合は、ガスの供給会社に連絡をして立ち会いをお願いするか、ガスの元栓を閉める作業だけを専門業者に依頼する方が安心です。
手順2:古いガスコンロの撤去と処分
ガスの元栓が閉まっていることを確認したら、古いガスコンロを取り外します。
- コンロの取り外し:
接続部分を工具で慎重に外し、コンロ本体を持ち上げます。ガスコンロは重く、油などで汚れている場合があるので、床や周りを汚さないよう気をつけましょう。 - 処分:
取り外したガスコンロは、粗大ごみとして自治体のルールに従って処分します。自治体によっては事前に申し込みが必要なので、確認しておきましょう。
手順3:据え置き型IHの設置と接続
ガスコンロがあった場所に、新しい据え置き型IHを設置します。
- 掃除:
古いコンロをどかした後のスペースをきれいに拭き取ります。 - 設置:
据え置き型IHをそのまま開いた穴の上に置きます。多くの場合、IHの本体と台の間に隙間を埋めるための専用の部品(枠)が付いているので、それらも設置します。 - 接続:
IHから出ている電源コードを、壁のコンセントに差し込みます。これで設置作業は完了です。
据え置き型IHのメリット・デメリットと選び方
工事不要という大きなメリットを持つ据え置き型ですが、デメリットも理解した上で、自分に合った製品を選びましょう。
据え置き型が持つ掃除の手軽さなどのメリット
- 設置費用がゼロ:
自分で交換すれば、大掛かりな電気工事費用や工賃が一切かかりません。初期費用が本体価格だけで済みます。 - 掃除が簡単:
IHは天板が平らなので、吹きこぼれてもサッと拭くだけで済みます。ガスの五徳(ごとく)を洗う手間から解放されます。 - 安全性が高い:
火を使わないため、調理中に衣服に引火する心配がありません。また、切り忘れ防止機能などがついているため、消し忘れのリスクも減らせます。
賃貸住宅でIHに交換する際の注意点
賃貸住宅に住んでいる人がIHに交換する場合は、特に注意が必要です。
- 原状回復義務:
退去時に、借りたときと同じ状態に戻す「原状回復義務」があるため、据え置き型であっても、大家さんや管理会社の許可を必ず取りましょう。 - ガスの契約:
ガスコンロを撤去することで、ガスの契約自体をどうするかについても確認が必要です。給湯器などがガスの場合、契約は継続することになります。
選び方:口数と機能で選ぶ
据え置き型IHを選ぶ際は、以下のポイントで絞り込みます。
- 口数(2口または3口):
据え置き型は2口タイプが多いですが、機種によっては3口タイプもあります。複数の調理を同時進行したい場合は、3口を選ぶと便利です。 - 魚焼きグリル:
ガスコンロと同様に、据え置き型にもグリル機能が付いたものがあります。グリルの有無や、お手入れのしやすさで選びましょう。
100Vと200VのIH!火力と必要な電源工事
据え置き型IHを選ぶ際、最も火力を左右するのが電源電圧です。100Vと200Vで、調理の快適さが大きく変わります。
100V IHの火力はどれくらいか
100VのIHは、一般的な家電と同じコンセントに差し込むだけで使えるため、最も工事不要で導入しやすいタイプです。
- 最大火力:
最大でも1.4kW(キロワット)程度で、火力が弱めです。 - 向いている調理:
湯沸かしや保温、簡単な炒め物、煮物などには問題ありません。 - 不向きな調理:
中華料理のような高温での炒め物や、たくさんの油を使う揚げ物など、強い火力を必要とする調理には向いていません。
200V IHを使うための電源工事が必要なケース
200VのIHは火力が強く、ガスコンロとほぼ同じ感覚で調理できますが、専用の電源環境が必要です。
- 電源工事が必要なケース:
キッチンのコンセントが100Vの一般的なタイプしかない場合、200VのIHを使うためには、専用の200Vコンセントを増設する電気工事が必要になります。 - 工事の費用:
この電源工事は専門業者に依頼する必要があり、費用は数万円(3万円〜10万円程度)かかることがあります。この工事は「工事不要」にはなりませんが、快適性を重視するなら検討する価値があります。
工事不要の交換で発生する費用の総額と内訳
ガスコンロから据え置き型IHに交換する場合、基本的に工事費用はかかりません。かかるのは、本体代と、古いコンロの処分費だけです。
IH本体(据え置き型)の一般的な価格帯
据え置き型IHの本体価格は、機能や口数、メーカーによって変わります。
- 2口タイプ(100V):
3万円〜5万円程度 - 2口タイプ(200V):
5万円〜8万円程度 - ハイグレードな3口タイプ(200V):
8万円〜15万円程度
ガスコンロの処分費用の目安
自分で撤去した場合でも、古いガスコンロを処分する費用が発生します。
- 自治体の粗大ごみ:
自治体によって異なりますが、数百円から2,000円程度が目安です。事前に自治体の窓口に問い合わせて、申し込みや収集券の購入が必要です。 - 家電量販店や専門業者に依頼:
IH本体を購入する店で引き取りサービスを利用する場合、2,000円〜5,000円程度の費用がかかることがあります。
トータルの費用は、据え置き型IH本体代と処分費を合わせても、3万円台から始めることができます。
まとめ
ガスコンロからIHへの工事不要の交換は、現在のガスコンロがあった場所に置くだけで使える据え置き型IHクッキングヒーターを選ぶことで実現します。
- 電源の重要性:
交換において最も重要なのは、キッチンの電源環境です。高い火力の200V IHを使うためには、専用コンセントが必要になるため、事前にブレーカーやコンセントの形を確認しましょう。 - 交換の手順:
交換は、ガスの元栓を閉めてから、古いコンロを撤去し、新しいIHを置くというシンプルな流れです。 - 費用:
かかる費用は、IH本体代(3万円〜8万円)と、古いガスコンロの処分費用だけです。
この記事を参考に、手間と費用を抑えたIHへの交換を実現し、快適なキッチンライフをスタートさせましょう。































