2023年11月18日
給湯省エネ事業とはどんな事業?国が事業を行う理由や内容、補助金申請の流れや注意点について解説します!
円安や国際情勢の変化により、エネルギー価格が上昇している中、国が実施する給湯省エネ事業に注目が集まっています。給湯省エネ事業とは、指定された高効率給湯器を導入すると、一定金額の補助金が得られる制度です。
今回は、給湯省エネ事業の大まかな内容や国が給湯省エネ事業を行う理由、給湯省エネ事業の内容、補助金申請の流れや注意点などについてわかりやすく解説します。
給湯省エネ事業とは?
給湯省エネ事業は、政府が実施する高効率給湯器の導入支援事業です。正式には「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」といいます。給湯省エネ事業の予算は300億円で、2022年11月からスタートしました。
戸建て住宅であっても、集合住宅であっても、高効率給湯器を導入した際に補助金が交付されます。補助金申請の状況は公式サイトに表示されており、予算の上限に達した段階で交付申請の受付が終了します。記事作成時(2023年11月11日)時点での申請率は24%です。
給湯省エネ事業を活用して高効率給湯器を導入することは、エネルギー価格高騰への対策としても有効です。
ご存知のとおり、2022年末から2023年にかけて、電気代が急騰しました。その理由は急速に進んだ円安と国際情勢の変化によるエネルギー資源価格の高騰です。予測困難な国際情勢や不安定な為替相場を考慮すると、生活を守るため、給湯省エネ事業を活用して省エネ機器を導入するのは有力な選択肢といえるでしょう。
国が給湯省エネ事業を行う理由
国が給湯省エネ事業を行う理由は何なのでしょうか。その理由は3つあります。給湯部門のエネルギー消費の抑制とカーボンニュートラルの達成、エネルギー価格高騰への備えの3つです。それぞれについてみてみましょう。
給湯部門のエネルギー消費を抑えるため
1つ目の目的は給湯部門のエネルギー消費を抑えることです。資源エネルギー庁が作成した「エネルギー白書2022」によると、家庭におけるエネルギー消費は5つの用途に分類できます。冷房、暖房、給湯、厨房、照明その他の5つです。
それぞれの割合を見てみると、冷房が2.4%、暖房が25.1%、給湯が27.8%、厨房が10.7%、照明その他が34.0%です。これらのうち、全体の4分の1強を占める給湯部門のエネルギー消費を抑制するのが、給湯省エネ事業の狙いです。
消費電力が少ないエコキュートや、ヒートポンプとガス給湯器を組み合わせたハイブリッド給湯器、家庭用燃料電池(エネファーム)の導入を推進することで、エネルギー消費量を抑えるのが狙いです。
カーボンニュートラルを達成するため
2つ目の目的はカーボンニュートラルを達成するためです。カーボンニュートラルとは、排出する二酸化炭素と植林・森林管理などによる二酸化炭素吸収量をほぼ等しくし、実質的に二酸化炭素排出量をゼロにすることです。
2020年10月、当時の菅首相が所信表明演説で、温室効果ガスを2050年までに実質ゼロにするというカーボンニュートラルの宣言を行いました。以後、二酸化炭素排出抑制のための政策が加速します。
その背景には2015年に採択されたパリ協定があります。協定には「世界の気温上昇を2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求する」という2℃目標が含まれています。
こうした取り組みの一環として、エネルギー消費を抑え、二酸化炭素排出量を抑制する給湯省エネ事業が実施されたのです。
給湯省エネ事業の内容
給湯省エネ事業はエネルギー消費の抑制と、カーボンニュートラルの達成のためであることがわかりました。ここからは、給湯省エネ事業の具体的な内容を見ていきます。
対象となる住宅と対象期間
対象となる住宅は新築住宅及び既存住宅です。戸建てでも集合住宅でも構いません。新築住宅に該当するのは1年以内に建築され、居住実績がない住宅のことです。既存住宅とは、建築から1年が経過し、現在、または過去に人が居住していた住宅のことです。
補助金支給の対象となる期間は以下のとおりです。
契約日の期間:2022年11月8日~2023年12月31日
着工日の期間:給湯省エネ事業者による登録日申請以降の、以下の日のどれか
- 新築注文住宅:住宅の建築着工日
- 新築分譲住宅:住宅引渡日
補助金対象となる高効率給湯器
補助金対象となるのは家庭用燃料電池、ヒートポンプ給湯器、ハイブリッド給湯器です。
家庭用燃料電池(エネファーム)
家庭用燃料電池とは、都市ガスやプロパンガスから水素を作り、水素と空気中の酸素を化学反応させて発電する装置です。高いエネルギー効率の給湯器ですが、導入するには100~300万円ほどの初期費用がかかります。
ヒートポンプ給湯器(エコキュート)
空気中の熱を利用して効率よくお湯を沸かす給湯器のことです。近年普及が進んでおり、戸建て住宅の2割程度で導入されています。
ランニングコストがガス給湯器の3分の1から6分の1になるとされ、省エネ設備として注目されています。
ハイブリッド給湯器
ヒートポンプ給湯器とガス給湯器を組み合わせた給湯器です。熱源が二つあるため、エコキュートよりも効率的に給湯できます。ただし、ランニングコストはエコキュートよりもかかります。
補助金額の上限
補助金額は導入する設備によって異なります。エネファームの場合、1台あたり15万円が支給されます。エコキュートやハイブリッド給湯器の場合は1台あたり5万円です。戸建て住宅なら2台まで設置できますが、集合住宅の場合は1台のみとなります。
補助金申請の流れ
給湯省エネ事業を申請する際は、どのように申請すればよいのでしょうか。まず、大前提として補助金の申請は高機能給湯機を販売している事業者が行います。購入者が直接申請する補助金ではありませんので注意しましょう。
補助金を申請するには、「給湯省エネ事業者」に登録されている事業者から機器を購入しなければなりません。購入者は事業者と契約したら、給湯省エネ事業の交付申請等委任状を取り交わします。
事業者は委任状に基づいて給湯省エネ事業の事務局に申請手続きをすすめます。この際、任意で交付申請の予約ができます。予約が有効なのは3ヶ月ですので、その間に手続きをすすめます。正式に補助金を申請するのは住宅や設備の引き渡し後です。事務局が審査し、不備等がなければ交付が決まります。
交付が決まると事務局から事業者に交付決定通知が送られ、購入者にも交付決定と振込の知らせが届き、補助金が交付されます。購入者は関連書類を5年間保存しなければなりませんので、なくさずに保管しましょう。
給湯省エネ事業の注意点
給湯省エネ事業は、エコキュート1台あたり5万円が得られる補助金です。エコキュートなど高効率給湯器の導入を考えているのであれば、積極的に利用したいところです。しかし、注意点が3つありますので、それぞれの内容を確認しましょう。
補助対象とならない機器がある
1つ目の注意点は補助対象とならない機器があることです。中古品やメーカーの保証対象外である機器や店舗専用の機器、住宅以外に設置する機器については補助対象となりません。
それ以前よりも省エネ性能が下がる機種やDIYで設置する機種も補助の対象外です。補助金交付を受けるのであれば、必ず新品を事業者から購入しましょう。
交付申請の予約は2023年11月30日まで
2つ目の注意点は交付申請の予約期限が11月30日までであることです。制度自体の締め切りは12月31日ですが、確実に交付手続きができる予約申請はそれより早く終わってしまいます。締切が近いことを意識し、早めに動くようにしましょう。
併用できる補助金とできない補助金がある
3つ目の注意点は併用できる補助金とできない補助金があることです。原則、こどもエコすまい支援事業や、地方自治体独自の補助金との併用が可能です。
東京都在住であれば、給湯省エネ事業と都の熱と電気の有効利用促進事業の併用が可能です。ただし、東京都の補助金交付条件は太陽光発電設備を設置していることですので、その条件を満たしていなければ交付を受けられません。
複数の補助金を活用する場合は、両方の交付条件に対応しなければなりません。
まとめ:東北地方でエコキュートを設置するならエコざんまいがおすすめ
今回は給湯省エネ事業の目的や内容、申請の流れ、注意点などを中心に解説してきました。補助対象となる高効率給湯器のうち、もっとも普及しているのはエコキュートです。
エコキュートを含む水まわりのトラブルは、生活に大きな支障をもたらすため一刻も早く解決したいものです。エコざんまいは、給湯器の急なトラブルに対し、迅速に対応します。地域密着型の業者だからこそできるスピーディーな対応で必ずやお客様にご満足いただけることでしょう。
費用に関しても、独自の仕入れルートでエコキュートを仕入れられるため、低価格でエコキュートを提供できます。他の業者との相見積もりも歓迎していますので、他社のお見積りと共にご相談いただく事も可能です。
東北地方や関東地方で給湯省エネ事業を活用したエコキュートの設置をご検討なら、ぜひ一度エコざんまいにお問い合わせ下さい。