2024年9月27日
エコキュートの温度設定とは?温度の種類や便利な機能、節約効果の高いモデルなどを紹介
エコキュートはリモコンユニットで給湯温度を設定できます。給湯温度は蛇口やシャワーから出る湯温に影響を与えるので、エコキュートを利用している方は知っておくと良いです。
また、エコキュートによっては温度に関する便利な機能や節約効果を期待できるモデルなどがあります。
そこで今回は、エコキュートの温度設定について解説します。ぜひ最後まで、ご覧ください。
エコキュートの温度設定とは?
エコキュートは貯湯式給湯器です。エアコンの室外機に似たヒートポンプユニットでお湯を沸かすと、貯湯タンクユニットで溜めておき、リモコンユニットで湯温や湯量をコントロールしながら各所へ給湯します。
エコキュートはリモコンユニットで給湯時の温度設定が可能です。
機種によって設定できる温度は多少異なりますが、基本的には60℃が最高となります。
なお、給湯温度を高くすればするほど、温度の高いお湯がでやすいです。リモコンユニットの給湯温度は家全体の給湯時の温度なので、高くした場合は火傷に注意しましょう。
給湯温度と実際に出てくる温度の仕組み
エコキュートのリモコンユニットで設定できる給湯温度は家全体のシャワーや蛇口から出るお湯の温度に影響を与えます。
エコキュートは貯湯式給湯器で、メーカーや機種によって搭載している機能や給湯効率は異なりますが、貯湯タンクユニット内部で高温のお湯を溜めておく仕組みは同じです。
給湯時には、タンク内部のお湯と水道水を混ぜてから給湯温度まで下げて給湯します。
そのため、給湯温度が高いと、水道水とあまり混ぜずに給湯されるので、高温のお湯が出やすいです。
一方で、給湯温度が低いと温度を下げるための水道水の量が増えるので、水道代が高くなる可能性があります。水道代を節約したい方は、給湯温度を45℃~50℃に設定してみましょう。
なお、ふろ場で温度を設定できるサーモスタット混合水栓はバネとバルブで湯温をコントロールしている仕組みです。
シンプルな仕組みなため、給湯温度が高いと40℃のお湯を出そうと捻っても、最初に高温のお湯が出てくる可能性があるので注意しましょう。
エコキュートの温度の種類
エコキュートには次の温度があります。
- 給湯温度
- ふろ温度
- 沸き上げ温度
意味や仕組みが異なるので、順番に確認しましょう。
給湯温度
給湯温度とは、家全体へ給湯する際の温度です。
基本的にリモコンユニットで設定可能で、三菱エコキュートの場合は35℃~48℃まで1℃ずつ刻むことができ、50℃、60℃まで設定できます。
50℃や60℃の高温にすると脱衣所や手洗い場、キッチンの蛇口から高温のお湯が出てくるので、普段よりも温度を上げているときは家族に説明しましょう。
ふろ温度
ふろ温度とは、自動お湯はり時の温度です。
エコキュートは給湯タイプが3種類あり、給湯専用はご自身で湯温と湯量を設定してお湯を張ります。
一方、フルオートタイプやオートタイプは、ボタン1つで設定された温度と湯量のお湯はりが自動で行われます。
ふろ温度はフルオートやオートでの自動お湯はりや、追い焚き時の湯温で、高いと高温のお風呂になってしまう可能性が高いです。
子どもやお年寄りが間違って高温のお風呂に入らないように、お湯はり時はふろ温度も確認しましょう。
沸き上げ温度
エコキュートはヒートポンプユニットでお湯を沸かして、貯湯タンクユニットで溜めておく貯湯式給湯器です。
沸き上げ温度はお湯を沸かす際の温度のことで、65℃~80℃で沸き上げられます。
機種によりますが、最新のエコキュートはAIによって適切な沸き上げ温度と湯量をコントロールしている傾向があります。
そのため、沸き上げ温度自体は手動で操作できません。
沸き上げ温度が高いと、その分多くのエネルギーを消費しているため、電気料金がかかります。
電気料金の節約のために余分なエネルギーを使いたくない方は、省エネ機能やエコモードを利用しましょう。
温度に関する便利な機能
エコキュートはメーカーや機種によって搭載している機能が異なります。機種によっては温度に関する便利な機能があるので、順番に確認しましょう。
AIエコナビ
AIエコナビはパナソニックのエコキュートに搭載されている機能です。
人の入室を検知して設定温度まで加熱する「ひとセンサー」を搭載しています。入浴していない間は保温間隔を長くして、エネルギー消費を抑え、お湯の冷め方を学習して無駄な湯温チェックをカットするなどが可能です。
つまり、入浴していないときのふろ自動保温による無駄なエネルギー消費を抑えられるので、節約効果を期待できます。
温浴セレクト
湯温セレクトはパナソニックのエコキュートに搭載されている機能です。
あつめ、ふつう、ぬるめの3つのモードが設定されており、ボタンを押すだけで設定温度になるように調整し、タイマーによって一定時間保ちます。
お風呂は一日の疲れを取るための大事な時間です。何℃のお湯で、何分浸かるかは個人によって好みがわかれますが、温浴セレクトなら設定湯温を1℃単位で調整でき、時間を最大60分まで調整できます。
ボタン1つで湯温をすぐに切り替えられるので、家族の好みの湯温が異なる場合に役立つ機能です。
ぬくもりチャージやホットりたーん
ぬくもりチャージはパナソニック、ホットりたーんは三菱のエコキュートに搭載されている機能です。
どちらも、お風呂の残り湯の熱を有効活用する機能で、翌日分の湯沸かしに必要なエネルギー消費を抑えられます。
エコキュートはヒートポンプユニットでお湯を沸かし、貯湯タンクユニットにお湯を溜めておく仕組みです。
ぬくもりチャージやホットりたーんは、残り湯を貯湯タンクユニットのほうへ戻し、タンク内部の水を温めます。
タンク内部の水と混ぜるのではなく、熱交換器で熱だけを有効活用するため、貯湯タンクユニット内部のお湯が汚れる心配はありません。
お風呂に残った熱を有効活用しているため、翌日分のお湯はりのエネルギーが節約できる機能です。
省エネ性能の高いエコキュートはランニングコストも安い
エコキュートは省エネ性能の高い給湯器のため、ほかの給湯器に比べて年間ランニングコストが抑えられています。
次の表は、エコキュートとほかの給湯器の年間ランニングコストを比較したものです。
エコキュート | ガス給湯器 | 電気温水器 | 石油給湯機 | |
---|---|---|---|---|
北海道電力エリア | 約54,000円 | 約104,400円 | 約184,800円 | 約78,000円 |
東北電力エリア | 約48,000円 | 約98,400円 | 約189,600円 | 約70,800円 |
北陸電力エリア | 約42,000円 | 約112,800円 | 約166,800円 | 約70,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約37,200円 | 約73,200円 | 約158,400円 | 約81,600円 |
中部電力エリア | 約25,200円 | 約81,600円 | 約100,800円 | 約67,200円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約75,600円 | 約87,600円 | 約63,600円 |
中国電力エリア | 約43,200円 | 約108,000円 | 約176,400円 | 約67,200円 |
四国電力エリア | 約44,400円 | 約93,600円 | 約193,200円 | 約66,000円 |
九州電力エリア | 約20,400円 | 約102,000円 | 約84,000円 | 約64,800円 |
沖縄電力エリア | 約27,600円 | 約62,400円 | 不明 | 約55,200円 |
実際のランニングコストは給湯器の性能や家族の人数によって異なりますが、エコキュートは省エネ性能が高いため、お湯を沸かすためのコストを節約できます。
ランニングコストを更に節約したい方は、エコキュートの年間給湯保温効率をチェックしましょう。
年間給湯保温効率は、エコキュートが運転した時の省エネ性能を示す数値です。数値が高いほど少ないエネルギーで効率よくお湯を沸かしているため、電気代の節約につながります。
記事執筆時点でのエコキュートの年間給湯保温効率は4.0前後が主流で、4.2が最高の数値です。
気候やお湯を使う量などによって異なりますが、年間給湯保温効率が0.1高いと、電気代は年間900円近く安くなる可能性があります。
エコキュート自体が省エネ性能の高い給湯器なので、年間給湯保温効率が高い機種と低い機種で、極端な差は生じにくいです。
しかし、10年以上も使用していれば数万円程度の差が生まれる可能性はあるので、節約効果を期待するなら年間給湯保温効率が高い機種を選びましょう。
節約効果を期待できるエコキュート
記事執筆時点で節約効果を期待できるおすすめのエコキュートは、三菱が販売しているPシリーズの「SRT-P376UB」です。
Pシリーズは三菱エコキュートの最高峰のシリーズで、「SRT-P376UB」は年間給湯保温効率が4.2と最高値を実現しています。
次の表は、年間給湯保温効率が4.2の「SRT-P376UB」と3.3の「SRT-W376D」の年間ランニングコストをまとめたものです。
SRT-P376UB | SRT-W376D | |
---|---|---|
年間給湯保温効率 | 4.2 | 3.3 |
1月 | 5,198円 | 6,562円 |
2月 | 4,564円 | 5,756円 |
3月 | 3,716円 | 4,692円 |
4月 | 3,270円 | 4,120円 |
5月 | 2,830円 | 3,555円 |
6月 | 2,250円 | 2,830円 |
7月 | 1,752円 | 2,216円 |
8月 | 1,416円 | 1,795円 |
9月 | 1,609円 | 2,033円 |
10月 | 2,426円 | 3,051円 |
11月 | 2,882円 | 3,631円 |
12月 | 3,554円 | 4,486円 |
合計 | 35,467円 | 44,727円 |
実際のランニングコストと異なる場合がありますが、年間給湯保温効率が高いと約1万円の節約につながる可能性があります。
記事執筆時点で年間給湯保温効率が4.2を達成しているメーカーは三菱と日立ですが、機能の面で考えると三菱のエコキュートのほうがおすすめです。
年間給湯保温効率が高いエコキュートのメリット
年間給湯保温効率が高いエコキュートはランニングコストがお得になるだけでなく、補助金を受けられる可能性が高いこともメリットです。
例えば、経済産業省資源エネルギー庁が行っている「給湯省エネ事業」では、年間給湯保温効率が一定値以上のエコキュートを導入する際に、1台につき8万円の補助金を給付します。
年間給湯保温効率が高いほど、上記のような補助金制度の条件を満たしやすくなる可能性が高いです。
エコキュートを購入する際は年間給湯保温効率が高く、補助金を利用できる機種を選びましょう。
まとめ
以上が、エコキュートの設定温度の解説になります。エコキュートはリモコンユニットで給湯温度とふろ温度を設定でき、省エネ設定やエコモードで沸き上げ温度を変更できます。
設定温度が高いと、温度を下げるための水道水の量が減るため水道代の節約につながりますが、高温のお湯が出やすくなるので火傷に注意しましょう。
また、エコキュートによって搭載している機能や年間給湯保温効率は異なります。年間給湯保温効率が高い機種はランニングコストを抑えられる可能性があるので、電気料金を節約したい方は、年間給湯保温効率をチェックしましょう。
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