2024年4月23日
エコキュートのフルオートってどんなタイプ?メリットや販売しているメーカーを分かりやすく解説
エコキュートは給湯方式が3種類あり、フルオートはお風呂に給湯するための手間がかからず、ラインナップが充実しています。各メーカーからさまざまな機種が販売されているため、家庭に合ったエコキュートを選べる可能性が高いです。
一方で、種類が多すぎるため、選ぶ際にはメーカーごとの違いを知っておくと良いでしょう。
そこで今回は、エコキュートのフルオートについて解説します。メリットや販売しているメーカーの特徴も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートのフルオートとは?
エコキュートのフルオートとは、お湯はりが自動で行なわれ、湯温が設定温度を下回ると温める機能が付いている機種を指します。
エコキュートには給湯方式が3種類あり、フルオートのほかにはセミオートや給湯専用があります。
給湯方式 | |
---|---|
フルオート | お湯はりからたし湯まで全自動でコントロールする 追い焚きが可能 |
セミオート | お湯はりを自動で行なうタイプ |
給湯専用 | 手動で給湯するタイプ |
フルオートの場合、ふろ自動ボタンを押すとお湯はりが自動的に開始され、設定した湯量に達した時点でストップします。自分で止める必要がなく、浴槽からお湯が零れてしまうようなトラブルは発生しません。
また、フルオートは湯船の温度が一定以下にならないように、定期的にお湯を足したり、沸かし直しをしたりする機能が付いています。自動保温機能をオンにしていれば、いつでも温かいお湯に浸かれます。
セミオートは、ふろ自動ボタンを押せば設定した湯量まで給湯する機能は付いていますが、温度を一定に保つ自動保温や追い焚きのような機能はありません。
給湯専用は手動で給湯するタイプで、給湯栓を自分で開閉する必要があります。
給湯方式が違うと、浴槽に給湯するときの手間が異なると覚えておきましょう。
フルオートを選ぶメリット
エコキュートの給湯方式でフルオートを選ぶメリットは以下のとおりです。
- 風呂に給湯する際の手間がかからない
- 種類が豊富
- 便利な機能が付いている
上記を順番に解説します。
風呂に給湯する際の手間がかからない
フルオートを選ぶ最大のメリットは、風呂に給湯する際の手間がかからないことです。
給湯専用は自分で給湯栓を開き、タイミングを見計らって閉めないとお湯が浴槽から零れてしまう可能性があります。機種によっては設定した湯量に達した時点で知らせてくれますが、気づかないケースは珍しくありません。
また、セミオートと違って自動保温が付いているので、風呂に給湯してから時間が経過していても、温かいお湯に浸かることができます。
風呂に給湯する際の手間や時間を省きたいと考えている方は、フルオートのエコキュートを選びましょう。
種類が豊富
エコキュートは給湯方式が3種類ありますが、メーカーのラインナップはフルオートに偏っている傾向があります。
次の表は、2024年4月時点での主要なエコキュートメーカーのラインナップをまとめたものです。
フルオート | セミオート | 給湯専用 | |
---|---|---|---|
三菱 | 10種類 | 1種類 | 1種類 |
パナソニック | 17種類 | 1種類 | 1種類 |
ダイキン | 3種類 | 1種類 | 3種類 |
コロナ | 7種類 | 1種類 | 1種類 |
日立 | 7種類 | 0種類 | 1種類 |
東芝 | 6種類 | 0種類 | 1種類 |
表の種類は一般地仕様のエコキュートのみですが、どのメーカーもフルオートが数は多く、セミオートは1種類のみで日立や東芝では扱っていません。
メーカーや機種によって性能や搭載している機能、貯湯タンクユニットの形状などは異なります。そのため、オートや給湯専用に比べれば、選択肢の多いフルオートのほうがご家庭に合ったエコキュートを選べる可能性は高いです。
便利な機能が付いている
基本的に、各メーカーの最上位モデルはフルオートタイプでのみ販売しており、お風呂の時間を快適に過ごせる便利な機能を利用したい方はフルオートタイプがおすすめです。
例えば、ダイキンはフルオートタイプのパワフル高圧Xシリーズ 角型が最上位モデルで、除菌効果を期待できる「おゆぴかUV」やマイクロバブル機能の「ウルトラファインバブル入浴」などを搭載しています。
一方で、給湯専用にもパワフル高圧Xシリーズ 角型がありますが、「おゆぴかUV」や「ウルトラファインバブル入浴」のような便利な機能は付いておりません。
すべてのフルオートタイプにメーカー独自の機能を搭載しているとは限りませんが、お風呂の時間を快適に過ごしたいと考えている方は、まずはフルオートタイプのエコキュートをチェックしてみましょう。
フルオートを選ぶデメリット
エコキュートの給湯方式でフルオートを選ぶデメリットは以下のとおりです。
- 選択肢が多くて迷ってしまう
- 最上位モデルは高額
- 特定の入浴剤が使用できない
上記を順番に解説します。
選択肢が多くて迷ってしまう
フルオートのラインナップが豊富なことは魅力的なポイントですが、選択肢が多くて迷ってしまうことは珍しくありません。
例えば、パナソニックエコキュートは2024年4月時点で17種類のシリーズがあり、次のように特徴が異なります。
概要 | |
---|---|
JPシリーズ | 最上位モデルのシリーズ パナソニックエコキュートのほとんどの機能を搭載している |
Jシリーズ(ウルトラ高圧) | JPシリーズと同様にほとんどの機能を搭載している JPシリーズに比べて性能が若干低い |
Nシリーズ(ウルトラ高圧) | パナソニックエコキュートのミドルクラス 一部の機能を搭載していない |
Sシリーズ(ウルトラ高圧) | パナソニックエコキュートのスタンダードクラス 一部の機能を搭載していないが、価格が抑えられている |
NSシリーズ(ウルトラ高圧) | Sシリーズよりも性能は低くいが、購入しやすい価格設定 |
Wシリーズ(2023年度モデル) | 貯湯タンクユニットが薄型 |
Jシリーズ | JPシリーズと同様にほとんどの機能を搭載している JPシリーズに比べて性能が若干低い Jシリーズ(ウルトラ高圧)よりも水圧は低い |
Nシリーズ | パナソニックエコキュートのミドルクラス 一部の機能を搭載していない Nシリーズ(ウルトラ高圧)よりも水圧は低い |
Cシリーズ(2023年度モデル) | 貯湯タンクユニットの高さが低いモデル |
Cシリーズ | 貯湯タンクユニットの高さが低いモデル 給湯効率が低い |
Bシリーズ | 貯湯タンクユニットの容量が560Lと大容量 |
Sシリーズ | パナソニックエコキュートのスタンダードクラス 一部の機能を搭載していないが、価格が抑えられている Sシリーズ(ウルトラ高圧)よりも水圧が弱い |
NSシリーズ | Sシリーズよりも性能は低くいが、購入しやすい価格設定 NSシリーズ(ウルトラ高圧)よりも水圧が弱い |
Wシリーズ | 貯湯タンクユニットが薄型 給湯効率が低い |
Hシリーズ | 貯湯タンクユニットが薄型 一部機能を搭載していない |
Vシリーズ | 貯湯タンクユニットがスリム |
DFシリーズ | 床暖房機能が付いたシリーズ |
シリーズごとに特徴が異なるため、家庭に合ったエコキュートを選ぶ際にはエコキュートに関する専門的な知識が必要です。
最上位モデルは高額
エコキュートの工事込みの相場は40万円以上で、スペックが高く、多くの機能を搭載している最上位モデルになると60万円を超えることも珍しくありません。
実際の販売価格は店舗によって異なりますが、三菱やパナソニックのような大手メーカーの最上位モデルは約70万円となっており、非常に高額です。
フルオートは種類が豊富なため40万円~50万円で購入できる可能性もありますが、最上位モデルは高額だと覚えておきましょう。
特定の入浴剤が使用できない
フルオートは追い焚き機能があり、浴槽内のお湯を循環させて温めなおすことができます。専用の配管を通って温めなおすため、貯湯タンクユニットに溜めてあるお湯を汚すことはありませんが、配管内部に不純物やゴミが付着する可能性は否定できません。
そのため、フルオートのエコキュートでは故障するリスクを考えて次のような特定の成分や特徴を持つ入浴剤の使用できないです。
- 酸
- アルカリ
- 硫黄
- 塩
- 固形物を含む生薬
- とろみ成分
- 温泉水
上記の成分や特徴を持つ入浴剤は配管の目詰まりや腐食を引き起こし、故障する原因のためメーカー側が使用しないように推奨しています。仮に、使用して故障してもメーカー保証の対象にならない可能性があります。
メーカーごとに使用できる入浴剤はアナウンスされており、大抵の場合は「バブ(花王)」、「温泡、バスロマン(アース製薬)」、「きき湯、バスクリン、ソフレ、日本の名湯(バスクリン)」が利用可能です。
なお、オートや給湯専用は追い焚き機能が付いていないため、入浴時亜の使用に制限がありません。気に入っている入浴剤があり、フルオートで使用できない場合は、オートや給湯専用をチェックしてみましょう。
メーカーごとのフルオートエコキュートの特徴は?
エコキュートの主要なメーカーは以下のとおりです。
- 三菱
- パナソニック
- ダイキン
- コロナ
- 日立
- 東芝
メーカーごとに搭載している機能や特徴が違うため、順番に解説します。
三菱
三菱は記事執筆時点で7種類のフルオートエコキュートを販売しています。最上位モデルはPシリーズのハイパワー給湯モデルで、次のような機能を搭載しています。
機能 | 概要 |
---|---|
キラリユキープplus | 深紫外線により湯船の菌を除菌する |
バブルおそうじ | マイクロバブルの泡により、配管内部の汚れを吸着して落とす |
ホットあわー | マイクロバブルで湯冷めしにくく、お肌に潤いをプラスする |
ホットりたーん | 残り湯の熱を回収して、効率良くお湯を沸かす |
Pシリーズ以外に、一部の機能を搭載していないSシリーズ、価格が抑えられているAシリーズがあり、ラインナップは充実しています。
除菌効果を期待できる深紫外線と泡によってさまざまな効果を得られるバブル機能の両方を搭載しているメーカーは三菱とダイキン、日立の3社のみため、これらの機能に興味がある方はチェックしてみましょう。
パナソニック
パナソニックは記事執筆時点で17種類のフルオートエコキュートを販売しておいます。最上位モデルはJPシリーズ(2023年度モデル)で、次のような機能を搭載しています。
機能 | 概要 |
---|---|
AIエコナビ | 人の出入りをセンサーで確認して、無駄なく自動保温する |
リズムeシャワープラス | シャワーのリズムを変えることで節水と省エネを実現している |
ぬくもりチャージ | 残り湯を有効活用して、効率良くお湯を沸かす |
温浴セレクト | 家族のお好みの温度を簡単に選べる |
いくつかのシリーズは2023年度モデルと以前に登場したモデルで被っていますが、パナソニックエコキュートの最大の特徴は、フルオートだけで17種類もあることです。
ラインナップが充実しているためご自宅にあった機種を選びやすいです。狭小スペースや、特殊な事情があって普通のエコキュートが設置できない方は、パナソニックのエコキュートを探してみましょう。
ダイキン
ダイキンは記事執筆時点で3種類のフルオートエコキュートを販売しています。最上位モデルはパワフル高圧Xシリーズ 角型で次のような機能を搭載しています。
機能 | 概要 |
---|---|
おゆぴかUV | 深紫外線により湯船のお湯の菌を除菌する |
ウルトラファインバブル入浴 | 微細な泡により温浴効果や美肌効果、洗浄効果を得られる |
他のメーカーに比べるとフルオートエコキュートの種類は少ないですが、最上位モデルは上記の機能に加えて、水圧が320kPaとエコキュートのなかではトップクラスの数値で、給湯保温効率も省エネ基準を達成しているため優れた性能を有しています。
高性能なエコキュートながら販売価格は50万円前後となっており、最上位モデルではありますが購入しやすい金額です。高性能なエコキュートをお得に購入したい方は、ダイキンの最上位モデルがおすすめです。
コロナ
コロナは記事執筆時点で7種類のフルオートエコキュートを販売しています。最上位モデルはプレミアムエコキュートで、次のような機能を搭載しています。
機能 | 概要 |
---|---|
ES制御 | 効率良くお湯を作り、溜めて、使うようにコントロールする |
入浴サポート | 子どもが安全にお風呂に入れる機能 |
コロナは他のメーカーに比べると機能を多く搭載しているとは言えません。
一方で、エコキュートに関する製造技術は優れており、記事執筆時点で2024年モデルの発売を決めているのはコロナだけです。すべての機種で2025年度目標の省エネ基準を達成しており、補助金の条件を満たしやすいエコキュートとなっています。
日立
日立は記事執筆時点で7種類のフルオートエコキュートを販売しています。最上位モデルは[水道直圧給湯]フルオート 標準タンク(高効率)で、次のような機能を搭載しています。
機能 | 概要 |
---|---|
水道直圧給湯 | 従来のエコキュートとは違ったお湯の沸かし方をしているため水圧が強い |
きらりUVクリーン | 深紫外線により、お風呂のお湯を綺麗にする |
シルキー快泡浴 | 微細で滑らかな泡が肌を優しく包み込む |
最大の特徴は、本機種が一般的なガス給湯器と同様に水道直圧給湯を可能にしていることです。
エコキュートはヒートポンプユニットで温めたお湯を貯湯タンクユニットで溜めておく際に、タンクが壊れないように減圧をします。減圧されたお湯に水道水を混ぜるため、一般的なガス給湯器よりも水圧は弱いです。
日立の[水道直圧給湯]フルオート 標準タンク(高効率)は、エコキュートで沸かしたお湯で水道水を温めて給湯するため、水道水の水圧をそのまま利用できます。他のメーカーに比べて水圧が強いため、シャワーの水圧にこだわる方は購入を検討しましょう。
東芝
東芝は記事執筆時点で6種類のフルオートエコキュートを販売していました。最上位モデルはプレミアムモデルで、次のような機能を搭載しています。
機能 | 概要 |
---|---|
ロータリーコンプレッサ | 性能や耐久性に優れ、業界最長のメーカー保証が付く |
銀イオンの湯 | 銀イオンにより細菌の増殖を抑える |
エコキュートはメーカー保証が付いており、無償保証期間は1年~2年が一般的です。しかし、東芝は最上位モデル以外でも、無償保証期間が5年となっており、業界でも最長のメーカー保証が付きました。
耐久性に優れているエコキュートではありましたが、2024年3月31日をもって販売を終了しています。補修用製品部品は、製造終了後10年間は保有していますが、期間が終了したら保守や修理のサービスを受けられなくなる可能性があると覚えておきましょう。
まとめ
以上が、エコキュートのフルオートの解説になります。エコキュートのフルオートは風呂に給湯する手間がかからず、種類が豊富なので家庭に合った機種を選べるなどのメリットがあります。
また、メーカーごとに特徴が異なり、機能性を重視するなら三菱やパナソニック、初期費用を節約したいならダイキンやコロナ、水圧にこだわるなら日立がおすすめです。
「エコざんまい」では各メーカーの最上位モデルやエントリーモデルを低価格で販売しています。エコキュートの専門知識を持っているスタッフが提案いたしますので、エコキュート選びで迷っている方は、ぜひご相談ください。