2025年4月24日
エコキュートの「角型」とは何のこと? 他のタイプと比べた場合の特徴を解説!

家庭生活のなかでももっとも多くのエネルギーを消費する設備が何かご存じでしょうか?
答えは「給湯器」。
お湯を沸かすという行為は多大なエネルギーが必要ですが、快適な日常のためにはもはやなくてはならないものの一つといっても過言ではないでしょう。
環境保全を主眼とした省エネ対策の必要性はすでに叫ばれて久しく、社会全体での取り組みとして個人レベルでもさまざまな施策が進んでいます。
住宅設備においても省エネ性能にすぐれたモデルが続々と開発・投入されており、高効率給湯器の「エコキュート」もそのうちの一つです。
一口にエコキュートとはいってもさまざまなメーカーが多くの製品をラインナップしており、バリエーション豊かなタイプが世に出回っています。
本記事ではそんなエコキュートについて、特に「角型」と呼ばれるモデルにフォーカスしてその特徴を解説します。
エコキュートの「角型」とは?
そもそもエコキュートの「角型」とは、いったい何のことなのでしょうか。
それにはエコキュートの基本的な構成を理解しておく必要があるため、以下で概観してみましょう。
まず、エコキュートは大きく分けて熱交換装置である「ヒートポンプユニット」とつくり出したお湯をためておく「貯湯タンクユニット」で構成された設備です。
電気をエネルギー源として空気中の熱を冷媒という気体に吸収し、圧縮することで高温にしてその熱を水に移すことによってお湯を沸き上げます。
そして沸き上げたお湯をタンクに貯蔵し、必要に応じて水で割りながら給湯するというのが基本的なシステムです。
エコキュートにおいて単に「角型」という場合にはこの貯湯タンクユニットの形状タイプを指しており、文字どおりに四角い形をしています。
正確には縦長の直方体であり、設置された外観は巨大な箱が鎮座しているような姿です。
エコキュートの貯湯タンクとしてはもっともスタンダードな形式であり、特に断りがない限りエコキュートといえばこの角型貯湯タンクのモデルを指す場合が一般的といえるでしょう。
角型のエコキュートが持つ特徴とは?
角型の貯湯タンクを備えたエコキュートがスタンダードなモデルであることを述べましたが、大きく分けるとさらに「薄型」というタイプも存在します。
文字どおり角型に比べて奥行きが薄く狭小地にも設置できるものですが、これと比較した場合に角型にはどのような特徴があるのでしょうか。
以下に代表的な4例を挙げました。
省エネ効率にすぐれていること
まず、角型はエコキュートのなかでももっとも省エネ効率にすぐれたモデルとされています。
これは前述した薄型モデルと比較した場合に数値として現れ、年間給湯保温効率という指標では0.5ポイントほど角型が上回ります。
具体例を挙げて見てみると、三菱がリリースしているAシリーズのタンク容量370Lモデルでは、角型の年間給湯保温効率が3.3、薄型では2.8となっています。
つまりエコキュートにとって直方体の貯湯タンクを持つ角型がもっともエネルギー効率のよい構造であることを示しているといえ、これがスタンダードモデルである根拠の一つといえるでしょう。
ただし薄型には独自のメリットがあることから一概にどちらがすぐれているかという議論ではありません。
とはいえ基本的に屋外に設置することが一般的な前提となるエコキュートは、自然な流れとして戸建住宅での導入がメインとなります。
そのため一定の設置スペースを確保できるという想定であることから、角型を選択する事例が多くなっているといえるでしょう。
商品ラインナップが豊富であること
角型エコキュートはスタンダードタイプであることから、各メーカーからリリースされている商品もラインナップが豊富であるというメリットがあります。
機種の多さという意味でもそうですが、何よりもタンク容量のバリエーションがメーカーによっては非常に細かく設定されている点も特筆されます。
エコキュートは貯湯タンクにためたお湯を設定された温度になるよう適宜水で割りながら各所に給湯するシステムを採用しており、日中に使用が想定されるお湯の量に合わせた大きさのタンクを選択する必要があります。
お湯の使用量は世帯人数や各自の生活スタイルによって異なるため、何人であれば何リットルと一概に決められるものではありません。
しかし各家庭にとって最適な量のお湯を確保しておけることは、無駄を出さずに効率運用できることへとつながります。
エコキュートの特性上、想定を超えた量の使用によってお湯が枯渇すると「お湯切れ」という事態が発生します。文字どおりお湯が無くなって次に沸き上がるまでは給湯器としての利用ができないことを意味し、瞬間湯沸かし器と比べた際のデメリットと位置付けられることもあります。
一方ではお湯の使用量が想定以下で、常に湯余りの状態になってしまうことも考えられるでしょう。そうしたケースではせっかく沸かしたお湯が無駄になり、電気や熱といったエネルギーは積み重なると少なからぬロスとなります。
これらの場合にはタンク容量が足りないか、あるいは大きすぎるかといった点が課題となるため、適切な容量のものを選ぶことの重要性が推し量れるでしょう。
そのため、角型エコキュートに見られる豊富なタンク容量ラインナップは選択肢の広さと柔軟さから、それ自体が大きなアドバンテージになっているといっても過言ではありません。
設置には一定のスペースが必要なこと
角型エコキュートが大きな直方体であることは繰り返し述べてきたとおりであり、設置には一定のスペースが必要であることも周知の事実です。
この点はメリットやデメリットという問題よりも、構造上の特性自体に関わる文脈でとらえることが重要です。
角型エコキュートは幅約63センチメートル、奥行き約76センチメートル、高さ200センチメートル前後というのが一般的なサイズとなっています。
これを屋外に設置するためには平面プランの最大値以上の空間と、上方向にもつかえることのないスペースを確保できることが条件となります。
さらにエコキュートの貯湯タンクを据え付けるためにはコンクリートの基礎を打つか専用のブロックタイプ基礎を設置する必要があり、作業のための空間とあわせて一定のゆとりがないと搬入すらできないでしょう。
先に述べた薄型エコキュートはこのように角型の設置が難しい状況で能力を発揮するものですが、角型は設置スペースを充分に取る必要があることを把握しておきましょう。
なお、同じ角型でも寒冷地や集合住宅に対応した屋内設置型も存在し、サイズによっては狭小地に設置できる例外的なパターンもあります。
他のタイプよりも価格が安いこと
角型エコキュートはスタンダードモデルであることから、薄型など他のタイプと比べた場合には価格が安いのが一般的です。
これも一概にはいえませんが、おおむね5万円~10万円程度の差があると考えてよいでしょう。
これは単純にニーズと供給量の差によるもので、たとえばあるメーカーでは角型のラインナップが10種類であるのに対して薄型は2種類のみであるなど、薄型はいわばカスタム品に近い位置付けであることから価格差となって表れるのは致し方ない部分です。
ただしエコキュート自体がその他の給湯設備と比較して本体価格が高めであり、普及の背景には国を挙げての補助事業とすぐれたランニングコスト性能から一定期間以上の稼働で初期費用の高さを充分に相殺できる特性があることが関係しています。
したがって角型を導入できない環境で薄型を選択したとしても、それが即ち家計にとってのマイナスになるわけではありません。あくまでも標準品としての角型を他のモデルと比較した場合の価格差に過ぎず、使用状況によっては絶対的なアドバンテージになるとは限らない点を把握しておきましょう。
外観に一定の圧迫感があること
角型エコキュートのサイズ感は先にも述べたとおりですが、実際に家屋に据え付けられた姿はかなりの存在感があるといえるでしょう。
すでに広く普及して知名度も充分であると考えられることから頼もしい住宅設備と捉えられますが、ややネガティブな表現をすればそれなりの圧迫感があるともいえます。
これは不可抗力であり、エコキュートの構造上あるいは特性上致し方のない部分ではありますが、巨大なものが空間を閉めているという圧迫感は心理的にある種の不安を起こさせる点は無視できません。
実際に、たとえば地震や台風などの災害時にエコキュートの角型タンクのような大型の構造物が倒壊する危険性があり、そうした事故の予測も無意識の不安となって圧迫する面を否定できません。
そのためもあり、充分な耐震補強が貯湯タンクユニットの設置に義務付けられています。
メーカーによっては家屋の耐震基準を超える強靭性を持たせたモデルもラインナップされており、そういった意味での安心感を前面に押し出すことはネガティブイメージの払しょくにもつなげられるでしょう。
一方ではエコキュートが設置されるのは家の正面よりも裏手など目立ちにくい場所であることも多く、必ずしも常に圧迫感を抱かせるとは限らない点も理解しておきましょう。
まとめ
最後まで記事をご覧いただきありがとうございました。
この記事では角型の貯湯タンクを持つエコキュートの特徴について、その概要と特徴を解説しました。
角型はもっともスタンダードなタイプであることから商品ラインナップも豊富で、その他のタイプと比べた場合の価格面におけるメリットもありますが、必ずしもこれがすぐれているというわけではありません。
それぞれのニーズに合致する選択肢の一つであり、タイプとしての特性を理解しておくことが導入にあたってプラスの作用をもたらすでしょう。
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