2023年10月24日
エコキュートに雪対策は必要?積雪した場合の対処法などをわかりやすく解説
雪が降るような寒い地方でエコキュートを使用するなら、積雪対策や対処法を知っておくことが重要です。なぜなら、積雪対策や対処法を実行しないと、給湯効率が低下してお湯を沸かすためのランニングコストが高くなる可能性があるからです。
そこで今回は、エコキュートの雪対策を解説します。積雪以外に注意すべきポイントも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートには雪対策が必要
結論から申し上げますと、エコキュートには雪対策が必要です。
エコキュートはエアコンの室外機のようなヒートポンプユニットでお湯を沸かし、貯湯タンクユニットに貯めておき、必要に応じて各所に給湯する貯湯式給湯器です。
ヒートポンプユニットは空気を取り込むことで低温の自然冷媒(CO2)が大気中の熱を吸収し、コンプレッサーで圧縮されることで高温化され、お湯を沸かします。水を沸かした自然冷媒は膨張弁で膨らむと、再び空気の熱を吸収するサイクルを繰り返します。
お湯を沸かすために空気の熱を用いているため、ほかの給湯器に比べてお湯を沸かすためのランニングコストが安いです。次の表は、同じ湯量を沸かした場合の年間ランニングコストを比較したものです。
エコキュート | ガス給湯器 | 電気温水器 | 石油給湯機 | |
---|---|---|---|---|
北海道電力エリア | 約54,000円 | 約104,400円 | 約184,800円 | 約78,000円 |
東北電力エリア | 約48,000円 | 約98,400円 | 約189,600円 | 約70,800円 |
北陸電力エリア | 約42,000円 | 約112,800円 | 約166,800円 | 約70,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約37,200円 | 約73,200円 | 約158,400円 | 約81,600円 |
中部電力エリア | 約25,200円 | 約81,600円 | 約100,800円 | 約67,200円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約75,600円 | 約87,600円 | 約63,600円 |
中国電力エリア | 約43,200円 | 約108,000円 | 約176,400円 | 約67,200円 |
四国電力エリア | 約44,400円 | 約93,600円 | 約193,200円 | 約66,000円 |
九州電力エリア | 約20,400円 | 約102,000円 | 約84,000円 | 約64,800円 |
沖縄電力エリア | 約27,600円 | 約62,400円 | 不明 | 約55,200円 |
実際のランニングコストは給湯器の性能や家族の人数、お湯の使い方によって異なりますが、エコキュートはお湯を沸かすためのランニングコストが抑えられている給湯器です。
しかし、エコキュートはヒートポンプユニットのファン部分が塞がってしまうと、給湯効率が低下する恐れがあります。
ヒートポンプユニットは基本的に住宅の外に設置する機器なので、雪が積もってしまうとファンが塞がってしまう可能性はあります。また、屋根の形状によっては積もった雪が落ちてきて、ヒートポンプユニットや貯湯タンクユニットが損傷する可能性も否定できません。
そのため、雪が降る、あるいは雪が積もってしまうような地域では雪対策を行っておくと給湯効率が低下せず、破損する可能性を減らせます。
エコキュートに必要な雪対策
エコキュートに必要な雪対策は以下のとおりです。
- 積雪したら雪かきをする
- 防雪屋根や架台を設置する
上記を順番に解説します。
積雪したら雪かきをする
雪が降って積もったら、エコキュートのヒートポンプユニット周りの雪かきを行いましょう。
ヒートポンプユニットのファンの周りに雪が積もっていると、空気の熱を取り込むことができず、給湯効率が著しく低下します。給湯効率が低下すると、お湯を沸かすためのランニングコストが高くなったり、お湯を沸かす量が減ったりします。
次の表は、寒冷地仕様の三菱エコキュートを1年間使用した場合のランニングコストのシミュレーションをまとめたものです。
外気温 | ランニングコスト | |
---|---|---|
1月 | -1.4℃ | 6,424円 |
2月 | -0.1℃ | 5,952円 |
3月 | 2.1℃ | 6,104円 |
4月 | 4.0℃ | 5,552円 |
5月 | 10.2℃ | 4,071円 |
6月 | 10.8℃ | 3,650円 |
7月 | 18.4℃ | 2,929円 |
8月 | 19.9℃ | 2,421円 |
9月 | 18.0℃ | 2,531円 |
10月 | 11.7℃ | 3,230円 |
11月 | 7.8℃ | 3,646円 |
12月 | 2.9℃ | 5,567円 |
実際のランニングコストは家族の人数やお湯の使い方によって異なりますが、エコキュートは外気温が低下するとランニングコストが高くなる傾向があります。
積雪によって給湯効率が低下すると、さらにランニングコストが高くなってしまうので、雪が降ったらヒートポンプユニットの周りを雪かきしましょう。
防雪屋根や架台を設置する
エコキュートのメーカーや販売店によっては防雪屋根や防雪架台などが販売されています。
防雪屋根とは雪が積もらないように斜めの屋根が取り付けられており、住宅の屋根から落ちてきた雪から機器を守るのに役立ちます。
また、商品によっては貯湯タンクユニットからの放熱を防ぐパネルが付いている場合や、ヒートポンプユニットを積雪から守れる架台とセットになっている場合もあります。
架台があれば、雪がある程度まで高く積もっても、雪かきをする手間が省けます。また、台風や大雨で地域一帯が浸水した場合でも、架台があれば故障するリスクを抑えられます。
積雪や浸水対策を考えている方は、エコキュートを購入する際に販売店に、防雪屋根や架台の設置を相談してみましょう。
積雪以外に冬のエコキュートで注意すること
積雪以外に、冬のエコキュートで注意することは以下のとおりです。
- エコキュートは凍結する可能性がある
- お湯の量が減りやすい
上記の注意点を順番に解説します。
エコキュートは凍結する可能性がある
エコキュートを使用するなら、冬は積雪以外に凍結にも注意しましょう。
エコキュートのヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットをつなぐ配管や、貯湯タンクユニットと浴槽をつなぐ配管内部に溜まっている水は、外気温がマイナスまで下がると凍結する恐れがあります。
配管内部が凍結すると、お湯を沸かしたり、給湯したりできません。自然解凍されるまで待つか、凍っている可能性がある配管に布を巻いて、ぬるま湯を掛けて溶かす必要があります。
そのため、外気温がマイナスまで下がる可能性がある地域では、次のような凍結対策が必要です。
- エコキュートの凍結防止機能をオンにする
- 配管に保温材や凍結防止用ヒーターを設置する
- 温度を最低まで下げたお湯を一晩中流し続ける
特に重要なのが、給湯温度を水、あるいは最低まで下げた状況で蛇口のお湯側を開いて一晩中通水を続けることです。水は流れていると外気温がマイナスまで下がっていても凍結しないので、通水を一晩中続ければエコキュートの凍結を防げます。
お湯の量が減りやすい
エコキュートは夜間にお湯を沸かしておき、貯湯タンクユニットにて貯めておきます。
貯湯タンクユニットはメーカーや機種によって仕組みが異なりますが、お湯の熱を逃がさない保温機能が搭載されています。しかし、冬場は外気温が低下するので、ほかの季節に比べてタンク内部の温度は下がりやすいです。
お湯の温度が下がってしまうと、エコキュートはお湯を消費していなくても、湯量が少ないと判断し、場合によっては沸き増しを行おうとします。
日中に沸き増しを行うと、ランニングコストが高くなってしまう可能性があるので、冬になったら湯量や設定温度を見なおして、湯切れにならないように調整しましょう。
エコキュートは寒い地方に不向き?
エコキュートは空気の熱を利用する給湯器のため、寒い地方ではエコキュートのランニングコストは高くなる傾向はあります。
次の表は、三菱エコキュートを青森県、東京都、鹿児島県で1年間使用した場合のランニングコストを比較したものです。
青森県 | 東京都 | 鹿児島県 | |
---|---|---|---|
1月 | 6,424円 | 6,811円 | 3,367円 |
2月 | 5,952円 | 6,208円 | 3,178円 |
3月 | 6,104円 | 6,397円 | 2,553円 |
4月 | 5,552円 | 3,967円 | 2,220円 |
5月 | 4,071円 | 3,590円 | 2,043円 |
6月 | 3,650円 | 3,013円 | 1,781円 |
7月 | 2,929円 | 2,367円 | 1,291円 |
8月 | 2,421円 | 1,915円 | 1,125円 |
9月 | 2,531円 | 2,139円 | 1,268円 |
10月 | 3,230円 | 3,067円 | 1,643円 |
11月 | 3,646円 | 3,785円 | 1,830円 |
12月 | 5,567円 | 6,462円 | 2,363円 |
合計 | 52,077円 | 49,721円 | 24,662円 |
確かに、エコキュートは寒い地方ではランニングコストが高くなる傾向はあります。
しかし、エコキュートは寒い地方であっても、ほかの給湯器に比べてランニングコストが抑えられています。
次の表は、東北地方で三菱エコキュートとほかの給湯器の1年間のランニングコストを比較したものです。
エコキュート | 都市ガス | LPガス | 灯油 | |
---|---|---|---|---|
青森県 | 52,077円 | 114,540円 | 205,910円 | 73,920円 |
岩手県 | 55,361円 | 116,001円 | 208,468円 | 74,944円 |
宮城県 | 50,937円 | 112,670円 | 202,631円 | 72,659円 |
秋田県 | 49,841円 | 110,204円 | 198,307円 | 70,981円 |
山形県 | 46,353円 | 105,993円 | 190,925円 | 68,105円 |
福島県 | 44,915円 | 104,536円 | 188,341円 | 67,148円 |
実際のランニングコストは給湯器の性能や家族の人数などによって異なりますが、エコキュートは寒い地方であっても、ほかの給湯器よりもランニングコストが抑えられています。
エコキュートは寒い地方に不向きではありますが、給湯のためのランニングコストを大幅に節約できる可能性があるので、支出を減らしたい方は検討してみましょう。
まとめ
以上が、エコキュートの雪対策の解説です。エコキュートは雪によって給湯効率が低下したり、損傷したりする可能性があるので、防雪屋根や架台を設置し、定期的に雪かきを行うと良いです。
なお、エコキュートのランニングコストはほかの給湯器よりも抑えられていますが、ライフスタイルや家族の人数、使い方などに合った機種を選ぶ必要があります。
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