2023年9月16日
エコキュートとエコワンの違いは?導入費用やランニングコストなどを比較
エコキュートとエコワンは、どちらも電気を利用する省エネ性能の高い給湯器です。ガス給湯器に比べてお湯を沸かすためのランニングコストが安く、太陽光発電システムとの相性も良いなどの共通点があります。
一方で、エコキュートとエコワンには違う部分もあるので、購入を考えている方は知っておくと良いでしょう。
そこで今回は、エコキュートとエコワンの違いについて解説します。ぜひ、最後までご覧ください。
エコキュートとは?
エコキュートとは、電気と空気の熱の力を利用してお湯を沸かす給湯器です。空気の熱を集めて、ヒートポンプユニットによって圧縮し高温にしてお湯を沸かすと、貯湯タンクユニットで貯めておいて必要に応じて各所に給湯します。
ガス給湯器と違い、お湯を沸かすのにガスが必要ありません。省エネ性能に優れているので、ほかの給湯器に比べてお湯を沸かすためのランニングコストが抑えられていますが、貯湯式給湯器なのでお湯を使いすぎると湯切れを起こすリスクがあります。
なお、正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ給湯器」で、エコキュートという名称自体は関西電力の登録商標です。しかし、現在では「自然冷媒ヒートポンプ給湯器」全般を指す用語として、給湯器メーカーや電力会社は用いています。
エコワンとは?
エコワンとは、ガス給湯器とエコキュートの両方の仕組みを搭載しているハイブリッド給湯器です。
基本的には、エコキュートと同様にヒートポンプユニットにより空気の熱を利用してお湯を沸かし、貯湯タンクユニット内部で貯めておいて必要に応じて給湯します。
お湯が足りなくなった場合は、お湯を沸かす時に出る排気熱とガスを利用してお湯を沸かすことが可能です。
なお、エコワンとはリンナイが販売しているハイブリッド給湯器の商品名です。リンナイ以外のメーカーではハイブリッド給湯器として販売されています。
エコキュートとエコワンの違いは?
次の表は、エコキュートとエコワンの違いまとめたものです。
エコキュート | エコワン | |
---|---|---|
必要なエネルギー | 電気 | 電気とガス |
導入費用 | 40万円~70万円 | 60万円~80万円 |
年間ランニングコスト(東北電力エリア) | 約48,000円 | 約74,200円 |
湯切れの可能性 | ある | ない |
水圧 | 290kPa | 400kPa |
上記の違いを順番に解説します。
必要なエネルギー
エコキュートは電気のみを利用する給湯器ですが、エネワンは電気とガスの両方が必要になる給湯器です。
そのため、エコキュートを購入してIHクッキングヒーターを設置すればガス会社との契約を解消してオール電化住宅を実現できますが、エコワンを購入してもオール電化住宅は実現できません。
導入費用
エコキュートは複数のメーカーから様々な機種が販売されています。機種ごとに搭載している機能や性能が異なるため販売価格も違っていますが、おおよその相場は工事費込みで40万円~70万円です。
エコワンのようなハイブリッド給湯器を販売している主なメーカーはリンナイとノーリツの2社になります。エコワンはリンナイが販売しているハイブリッド給湯器で、おおよその相場は工事費込みで60万円~80万円です。
- エコキュート…40万円~70万円
- エコワン…60万円~80万円
どちらも高額ですが、エコキュートよりもエコワンの方が高くなる可能性があると覚えておきましょう。
ランニングコスト
エコキュートとエコワンのようなハイブリッド給湯器はヒートポンプ技術でお湯を沸かす給湯器です。電気と空気の熱を利用してお湯を沸かすため、年間ランニングコストがほかの給湯器に比べて、次の表のように抑えられています。
エコキュート | ハイブリッド給湯器 | 電気温水器 | ガス給湯器 | 石油給湯機 | |
---|---|---|---|---|---|
北海道電力エリア | 約54,000円 | 不明 | 約184,800円 | 約104,400円 | 約78,000円 |
東北電力エリア | 約48,000円 | 約74,200円 | 約189,600円 | 約98,400円 | 約70,800円 |
北陸電力エリア | 約42,000円 | 約52,100円 | 約166,800円 | 約112,800円 | 約70,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約37,200円 | 約51,100円 | 約158,400円 | 約73,200円 | 約81,600円 |
中部電力エリア | 約25,200円 | 約41,800円 | 約100,800円 | 約81,600円 | 約67,200円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約41,000円 | 約87,600円 | 約75,600円 | 約63,600円 |
中国電力エリア | 約43,200円 | 約55,800円 | 約176,400円 | 約108,000円 | 約67,200円 |
四国電力エリア | 約44,400円 | 約54,200円 | 約193,200円 | 約93,600円 | 約66,000円 |
九州電力エリア | 約20,400円 | 約33,500円 | 約84,000円 | 約102,000円 | 約64,800円 |
沖縄電力エリア | 約27,600円 | 不明 | 不明 | 約62,400円 | 約55,200円 |
しかし、エコワンのようなハイブリッド給湯器は、ヒートポンプ技術以外に、ガス給湯器としての仕組みも搭載しており、風呂のお湯はりや追い焚き時にはガスを燃焼させてお湯を沸かします。
そのため、エコワンのランニングコストは基本的に抑えられていますが、ガスの使用割合が多くなるほど、エコキュートよりも高くなる可能性は十分考えられます。
湯切れの可能性
エコキュートは電気料金単価が安い夜間にお湯を沸かし、日中に消費する仕組みです。日中に使いすぎると、お湯を沸かすまで使用できなくなります。貯湯タンクユニットのお湯が使いきってしまうことを湯切れと呼び、エコキュートでは発生する可能性があります。
エコワンもエコキュートと同様にお湯を沸かしておいて、貯湯タンクユニットで消費します。しかし、エコワンはガス給湯器としての仕組みも搭載しているため、貯湯タンクユニット内部のお湯がなくなってもお湯を利用することが可能です。
つまり、エコワンでは湯切れが発生する可能性がありません。
水圧
エコキュートの水圧は機種によって異なりますが、290kPa~325kPaです。エコキュートのような貯湯式給湯器は、お湯を貯湯タンクユニット内部で貯めておく時に水圧を下げるため、水圧がガス給湯器よりも下がります。
エコワンも貯湯タンクユニット内部にお湯を貯めるので減圧しますが、水圧は400kPaとエコキュートに比べて高いです。
エコワンは貯湯タンクユニットから給湯する際にガス給湯器部分からもお湯を沸かして給湯しています。そのため、エネワンはエコキュートよりもシャワーやお湯はりの水圧が強い給湯器になります。
エコキュートとエコワンのどちらを購入するべき?
エコキュートとエコワンの主な違いは以下のとおりです。
- 必要なエネルギー
- 導入費用
- ランニングコスト
- 湯切れの可能性
- 水圧
エコキュートはお湯を沸かすために電気が必要な給湯器で、導入費用が40万円~70万円、ランニングコストはほかの給湯器に比べて抑えられています。ただし、湯切れの可能性があり、水圧はエコワンよりも弱いです。
エコワンはお湯を沸かすために電気とガスが必要な給湯器で、導入費用が60万円~80万円、ランニングコストはガスの使用分が多くなるほどエコキュートよりも高額になる可能性はあります。
ただし、エコキュートと違って湯切れの可能性が無く、水圧は高いです。
上記の違いを考えると、購入するならエコキュートをおすすめします。エコキュートがおすすめの理由は、導入費用と機種のバリエーションです。
エコワンのようなハイブリッド給湯器を販売しているメーカーはリンナイとノーリツの2社で、製品の種類は多いと言えません。そのため、価格競争やメーカー独自の機能などが少ないです。
一方、エコキュートはパナソニック、三菱、ダイキン、コロナ、東芝、日立が主要なメーカーで、様々な機種が販売されています。メーカーごとに特徴が異なり、独自の機能を搭載している場合もあるので、ライフスタイルに合った商品を選びやすいです。
エコキュートはライフスタイルに合った商品を選びやすく、導入費用が40万円~70万円ですが、エコワンは選べる機種が少なく、導入費用が60万円~80万円と高い傾向があります。
また、エコワンはガス会社との契約が必要です。オール電化住宅やZEH住宅(家のエネルギー収支をゼロ以下にする住宅)を目指したい場合に不向きなこともデメリットとして挙げられます。
以上の理由から、エコキュートとエコワンで迷っているなら、エコキュートの購入を検討してみましょう。
エコキュートやエコワンを購入する際は補助金を調べる
エコキュートとエコワンは導入費用が高額な給湯器なので、購入したい方は補助金制度を調べてみましょう。
国や地方自治体は省エネ性能の高い住宅機器の導入に補助金を出す傾向があります。例えば、経済産業省資源エネルギー庁が開催している「給湯省エネ事業」では、エコキュートとエコワンを購入する際、1台につき5万円の補助金が給付されます。
補助金制度によっては併用が可能なので、複数の補助金制度を活用すれば高額なエコキュートやエコワンをお得に購入できる可能性はあります。
そのため、エコキュートやエコワンを購入する際は、利用可能な補助金制度を調べたり、補助金制度に詳しい販売業者から購入したりしましょう。
まとめ
以上が、エコキュートとエコワンの違いの解説です。次の表は、エコキュートとエコワンの違いをまとめたものになります。
エコキュート | エコワン | |
---|---|---|
必要なエネルギー | 電気 | 電気とガス |
導入費用 | 40万円~70万円 | 60万円~80万円 |
年間ランニングコスト(東北電力エリア) | 約48,000円 | 約74,200円 |
湯切れの可能性 | ある | ない |
水圧 | 290kPa | 400kPa |
エコワンに比べて、エコキュートは導入費用の相場が安く、ランニングコストも抑えられる可能性があります。エコキュートはほかの給湯器に比べて年間ランニングコストが安いので、家庭の支出を抑えたい方におすすめです。
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