2024年2月17日
エコキュートってうるさいの?設置する際のポイントや防音対策などを紹介
エコキュートは省エネ性能の高い給湯器ですが、かつては騒音苦情による裁判が起きています。現在のエコキュートは静音性が優れているため苦情が発生する可能性は低いですが、設置場所に注意しましょう。
そこで今回は、エコキュートを設置する際のポイントや防音対策などを紹介します。エコキュートの騒音対策を考えている人は参考にしてください。
エコキュートってうるさいの?
結論から申し上げますと、現在のエコキュートは静音性に優れており、人や環境によって異なりますが、うるさいと感じることは少ないです。
エコキュートは電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器を指します。
メーカーや機種によって多少仕組みは異なりますが、ヒートポンプユニット技術を用いており、外気を取り込んで圧縮する過程で多少の運転音が発生します。
夜中にお湯を沸かすため、住んでいる場所によっては音が響いてしまい、騒音と捉えられる可能性は否定できません。
しかし、現在のエコキュートは静音性に優れており、機種にもよりますが、40dB(デシベル)程度となっており、環境庁の生活騒音パンフレットによれば、昼間の戸建住宅地や図書館の館内程度の騒音です。
そのため、最新のエコキュートなら騒音で苦情を言われる可能性は高くありません。
冬になると音が出る可能性はある
エコキュートはヒートポンプ技術を用いてお湯を沸かす給湯器です。気体を圧縮すると高温になる性質を利用して、空気から集めて生み出した熱によってお湯を沸かすことができます。
電気は熱を運んだり、圧縮したりする動力として用いられるため、ガス給湯器や電気温水器に比べてお湯を沸かすためのランニングコストが抑えられます。
しかし、冬になると外気温が低下するため、圧縮機や送風機の回転数が上昇するのに比例してコストや運転音が大きくなる可能性があります。
また、外気温が低く、湿度が高い地方では自動霜取装置も働くため、運転音が悪化する可能性も否定できません。ほかにも、冬場や寒冷地では雪や水がヒートポンプユニットに入り込んで、運転時にファンにぶつかって音が発生するケースもあります。
そのため、春から秋にかけて問題がなかったとしても、冬になったり、寒い地方に設置したりするとエコキュートの騒音が問題になる場合があるため、注意しましょう。
エコキュートを設置する際のポイント
エコキュートを設置する際のポイントは以下のとおりです。
- ヒートポンプユニットの設置場所に注意する
- 取り扱い説明書通りの施工を行う
- 試運転によって運転音の騒音をチェックする
上記のポイントを順番に解説します。
ヒートポンプユニットの設置場所に注意する
エコキュートはお湯を沸かすヒートポンプユニット、お湯を溜めておく貯湯タンクユニット、湯温や湯量をコントロールするリモコンユニットで構成されています。
基本的に、音を発する可能性があるのはヒートポンプユニットのみです。そのため、騒音を気にするならヒートポンプユニットの設置場所に注意しましょう。
例えば、次のような場所はヒートポンプユニットの設置場所として適切ではありません。
- ご自宅や隣家の寝室の側
- 窓や床下通行口などの音の侵入口近く
- 音が反射する壁や塀の近く
エコキュートは電気料金単価が安い夜間にお湯を沸かす給湯器です。設定にもよりますが、11時~7時までの時間帯に沸かすことが多く、大抵の方は寝ている時間帯になります。
そのため、ご自宅や隣家の寝室の側では音がうるさくて眠れない可能性があるため、設置するのは止めましょう。
また、窓や床下通行口のように音が侵入する開口部付近に設置すると、エコキュートの運転音が室内に侵入するケースがあります。例えば、隣家と高低差があると、ヒートポンプユニットの設置場所が隣家の窓の前という場合があるため、注意しましょう。
ほかにも、隣家の敷地との間に壁や塀がある場合は、音が反射する恐れもあります。音は特殊な場合を除いて物体の表面で反射して大きくなる場合があり、ヒートポンプユニットの運転音は壁や塀、石垣でも反射します。
そのため、音が反射する壁や塀の近くに設置することも避けたほうが良いです。
取り扱い説明書通りの施工を行う
ヒートポンプユニットが稼働すると圧縮機や送風機が回転し始めるため、機器自体が揺れる場合もあります。
基本的に、取り扱い説明書通りの施工を行っていれば問題ありません。しかし、取り付け方法に不具合があると、機器の騒音や振動が増えてしまい、騒音の原因となる可能性は高いです。
そのため、エコキュートを設置する際は取り扱い説明書通りの施工を行う業者に依頼すると良いでしょう。
試運転によって運転音の騒音をチェックする
エコキュートを設置したら、試運転によって運転音の確認を行います。確認すべきポイントは以下のとおりです。
- ヒートポンプユニットから異音は発生していないか
- 架台や壁が振動して騒音を発生していないか
- 構造物の反射で音は大きくなっていないか
- 離れた場所で音が大きくなっていないか
基本的に、音は距離が遠くなるほど減衰していく傾向があります。隣家への運転音が気になる場合は、許可を取って隣家から運転音が聞こえるかどうか試してみましょう。
エコキュートの防音対策
エコキュートの防音対策は以下のとおりです。
- 防音壁を設置する
- 防振ゴムを取り付ける
- ヒートポンプユニットの上に荷物を置かない
- 定期的に掃除をする
- 10年以上使用している機器は買い替える
- メーカーや販売業者に相談する
上記を順番に解説します。
防音壁を設置する
隣家から運転音の苦情を受けたら、防音壁を隣家側に設置しましょう。
防音壁とは一定の種類の音を吸収する効果を持った壁のことで、エコキュートやエアコンの室外機用防音壁や防音パネルが一般で販売されています。設置することで、ヒートポンプユニットの運転音を抑えることができます。
なお、防音壁を設置する際は、ヒートポンプユニットよりも大きいサイズで、音の発生源から50cm~1mほど離れた場所に設置しましょう。
サイズが小さいと音を吸収しづらくなり、近すぎるとヒートポンプユニットの給湯効率が下がってしまう可能性があります。
また、防音壁だけでは吸収できない騒音に対しては、次項で紹介する防振ゴムを併用すると良いです。
防振ゴムを取り付ける
防振ゴムとは、ヒートポンプユニットの脚部分に取り付けることで、稼働時の振動音を抑える道具です。設置場所によっては振動が伝わって室内に聞こえてくる場合があり、防音壁だけでは防ぐことができません。
防振ゴムや防音シートなどを活用すれば、振動が原因の音を減らすことができるため、活用してみましょう。
ヒートポンプユニットの上に荷物を置かない
ヒートポンプユニットはエアコンの室外機に似た形状をしており、家庭によっては鉢植えや道具などを置いておくことがあります。
しかし、ヒートポンプユニットの上に荷物が置いてあると、稼働した時の振動で騒音が発生するケースがあります。そのため、ヒートポンプユニットの上にはなるべく荷物を置かないようにしましょう。
定期的に掃除をする
エコキュートは給湯効率が下がると圧縮機やファンの回転数が上昇し、結果として運転音が大きくなります。
給湯効率が下がる原因として、次のことが考えられます。
- 冬になって外気温や水温が下がる
- ファンに霜がつく
- ヒートポンプユニットの周りがゴミや雪で塞がっている
外気温や水温が下がってしまうことは対処できませんが、ファンに霜がつく、あるいはヒートポンプユニットの周りがゴミや雪で塞がっていることで給湯効率が下がっているなら、掃除をしましょう。
10年以上使用している機器は買い替える
エコキュートは経年劣化により給湯効率が低下する場合もあります。
エコキュートは定期的に点検やメンテナンスを行っていれば10年以上使用できる給湯器です。
しかし、10年目以降は給湯効率が下がっていき、稼働時間や回転数が上昇するため、結果として運転音が大きくなります。
給湯効率が低下するとお湯を沸かすためのランニングコストも高くなるため、10年以上使用しているエコキュートは買い換えを検討してみましょう。
メーカーや販売業者に相談する
エコキュートの運転音は、ある程度の知識と技術がないと対策できません。そのため、運転音が気になる方はエコキュートのメーカーや販売業者に相談してみましょう。
次の表は、主要なエコキュートメーカーの相談窓口をまとめたものです。
相談窓口 | |
---|---|
三菱電機 | 0120-56-8634(フリーダイヤル) 0570-01-8634(携帯電話) |
パナソニック | 0120-878-554(フリーダイヤル/携帯電話) |
ダイキン | 0120-881-081(フリーダイヤル/携帯電話) |
コロナ | 0120-919-302(フリーダイヤル) 0570-550-992(携帯電話) |
日立 | 0120-3121-68(フリーダイヤル) 0570-0031-68(携帯電話) |
まとめ
以上が、エコキュートを設置する際のポイントや防音対策などの解説です。エコキュートは静音性に優れていますが、場所や状況によっては音が気になる可能性があるため、設置する際には注意しましょう。
「エコざんまい」では、エコキュートに関する知識が豊富なスタッフが対応いたします。現地調査を行って、適切な設置場所を見つけ、場合によっては防音対策をご提案いたしますので、エコキュートの購入を考えている方は、施肥ご相談ください。