2025年1月26日
タフネスと清潔さを高度に両立! 日立製エコキュートの特徴を解説!

高熱費の高騰は家計にとって深刻な問題であり、視野を広げると地球規模での環境問題に直結するエネルギー関連の課題でもあります。
省エネ対策が叫ばれて久しく、すでに大小あらゆる規模での取り組みが進んでいますがそれは個人の日常生活レベルでも同様です。
特に省エネや創エネの施策は住宅設備にも続々と導入されており、なかでも家庭生活でもっともおおくのエネルギーを消費するとされる給湯周りの機器が目覚ましい進歩を遂げています。
少ないエネルギーでより以上の効果を得られることからエネルギー削減に貢献する設備で、そんな高効率給湯器の一つに「エコキュート」が挙げられます。
エコキュートは電気をエネルギー源として稼働し、化石燃料を一切用いないことから温室効果ガスをほとんど出さないクリーンな給湯器として普及が進んでいます。
さらにはすぐれたコストパフォーマンスで家庭の電気代を大幅に削減する効果から、導入がますます加速している給湯器の一つです。
本記事ではそんなエコキュートについて、特に「日立」製のモデルにフォーカスしてその特徴を解説します。
エコキュートとは?
はじめに、そもそもエコキュートとはどのような給湯器であるのか、その仕組みの概要をおさらいしておきましょう。
エコキュートが電気で動くことはすでに述べたとおりですが、従来型の電気給湯器や電気ポットなどのように電気の熱を直接水に伝えてお湯を沸かす機構とはまったく異なるものです。
エコキュートがお湯をつくり出す仕組みとしては、「ヒートポンプ」と呼ばれる熱交換装置の作用によるものです。
ヒートポンプとは空気中から収集した熱を圧縮によってさらに温度を高め、その熱量で水を温めるための装置を指しています。
もう少し詳しく説明すると、ヒートポンプの内部には「冷媒」と呼ばれる気体が循環しており、エコキュートでは二酸化炭素を用いています。
この冷媒に空気中の熱を移し、気体は圧縮することによって温度が上昇するという性質を利用して90℃ほどにまで高め、それを水に伝えていくことでお湯を得るというものです。
水に熱を伝えた後の冷媒を今度は開放することで温度が下がり、再び空気中の熱を集めるために循環していくというのが大まかな仕組みです。
これは冷蔵庫や冷暖房に用いられている熱交換の原理と同様であり、エコキュートのヒートポンプはまさしくエアコンの室外機のような姿をしています。
エコキュートはヒートポンプでつくり出したお湯を「貯湯タンク」にためておいて使用することも大きな特徴の一つです。
これは電気料金の安い夜間の時間帯に稼働させることを前提に設計されており、そのようにして得たお湯をタンクにためて日中には各所で設定された温度になるよう適宜水で割りながら分配するという運用を基本としています。
このような構造から、エコキュートは少ないエネルギーでお湯をつくり出すことができ、なおかつランニングコストにもたいへん優れた給湯器として仕上がっています。
日立製エコキュートの特徴は?
それでは次に、日立製のエコキュートについてその特徴を見てきましょう。
日立といえば日本最大の総合電機メーカーとして著名で、事業規模においても国内トップクラスの巨大企業です。同社が積み上げてきた多様な機械製品の技術は、エコキュートの各モデルにも遺憾なく発揮されているといえるでしょう。
以下に代表的な6つの特徴を挙げました。
業界トップクラスの保温性能
日立製のエコキュートの大きな特徴として、業界トップクラスの保温性能が挙げられます。
エコキュートでなぜ保温性能が重要視されるのかというと、貯湯タンクにためたお湯を分配して給湯するという独特の機構が根拠となっています。
お湯をタンクにためておく構造上、当然ながら各ユニットには一定の保温性が持たされていますが、熱の放散を完全に止めることは不可能です。
そのため時間とともに熱エネルギーのロス、つまりお湯が徐々に冷めていくことは避けられません。
逆にいうとこの保温性能を高めてお湯を冷めにくくすることができれば、それだけ熱エネルギーのロスを抑止できて省エネ効果も高められることにつながります。
日立製エコキュートでは貯湯ユニットに断熱材であるウレタンフォームを導入しており、これによって非常にお湯が冷めにくい機能を獲得しています。
JIS(日本産業規格)が定める年間給湯保温効率は業界トップクラスの4.2を記録しており、断熱による熱の放散を可能な限り抑えた造りに特徴があります。
水道直圧式のパワフル給湯
日立製エコキュートは、パワフルな給湯を可能としていることも特筆すべきメリットです。
一般的にエコキュートはタンクに一度お湯をためる構造であることから、貯湯ユニットへの負荷を減らすため水道からの水を減圧する仕組みになっています。
そのため水圧の物足りなさは各社共通の課題であり、2階や3階といった高所への使用も視野に入れた高水圧タイプの機種がラインナップされています。
しかし日立は独自の「水道直圧式」という仕組みを開発することでこの問題を克服し、現状ではすべてのモデルがこの方式を採用しています。
これはタンクユニットへの通常の貯湯を行いつつも、水道水を直接用いて瞬間的にお湯を沸かすことができる「プレート式給湯熱交換器」を通すことで水道の圧力をそのまま利用しての給湯を可能とした点が特徴です。
この機能によって日立の水道直圧式エコキュートは同社のそうでないモデルと比べてお湯の量は約1.6倍、水圧は約2.9倍という高い値を実現しています。
これによりストレスのない快適な水圧での給湯を可能としていることが、日立製エコキュート最大の特徴といえるでしょう。
圧倒的な耐震性能
エコキュートは大きな貯湯タンクを屋外に設置するケースが多く、地震などの災害時における対策を施す必要があります。
日立製エコキュートは特に耐震性能にもすぐれており、タンクユニットの断熱にも用いているウレタンフォームは補強の役割も果たしています。
「ウレタンク」と呼ばれているこの貯湯タンクはクラスSの耐震性能を有していますが、一般住宅での耐震基準がおおむねクラスBであることを考えると圧倒的な強さであるといえるでしょう。
エコキュートの貯湯タンクユニットは水のストックとしても機能することから、災害時に万が一インフラがダメージを受けて断水などの事態に陥ったときの命綱になるといっても過言ではありません。
ただしそれもタンクそのものが健在であってこそのため、そうした意味においても日立のエコキュートは地震などの災害に対する強力な備えになるといえるでしょう。
高い耐腐食性能
日立製エコキュートは水道直圧式による高水圧などタフな使用感に定評がありますが、腐食に対する強靭さも特筆すべきメリットの一つです。
それには樹脂を素材に用いた継ぎ手の構造と、汚れに強く高い耐腐食性能を持つステンレス素材を配管に使っていることに由来しています。
そもそもステンレスは直訳すると「錆びなし」という意味になるほど錆びにくい素材であり、常時水やお湯を循環させるエコキュートの構造上、非常に心強い材質といえるでしょう。
ただし先述した水道直圧式を実現しているプレート式給湯熱交換器は別で、この機器については比較的短期間での交換が必要となるケースがあることに注意が必要です。
繊細で快適なバブルバス
給湯器であるエコキュートにはバスタイムを快適にするためのさまざまな性能が付与されており、各社とも工夫を凝らした機能のモデルをラインナップしています。
日立製エコキュートでも同様ですが、本記事では特に「シルキー快泡浴」という機能について取り上げてみましょう。
いわゆるバブルジェットバスはもはや珍しい仕組みではなくなりましたが、日立のエコキュートでは非常に微細な泡を発生させる点に特徴があります。
この泡は「ファインバブル」と呼ばれ、浴槽に接続された循環アダプターから噴き出してくるようになっています。
ファインバブルはたくさんの空気を含んでおり、全身をやさしく包み込むようにして広がることで高い保温効果を発揮します。
したがってシルキー快泡浴を用いると湯冷めがしにくく、長く体が温まった状態を保つことができるのです。
そのまま飲用可能な給湯機能
エコキュートはつくったお湯を一旦タンクにためるという構造上、衛生面での考慮からそのまま飲用することは推奨していません。
しかし日立製のエコキュートでは瞬間的に水道水を加熱してお湯を得る仕組みも備えていることから、直接飲むことができるという大きな利点を持っています。
日立製における最大の独自性といっても過言ではなく、料理や洗浄にも安心しいてお湯を使えるのはユーザーにとってうれしい機能といえるでしょう。
ただし一定の水質が担保された水に限る点には注意が必要です。
日立の企業としての強みとは?
日立は東京都千代田区丸の内に本社がある総合電機メーカーで、正式名称は「株式会社日立製作所」です。
27万人近い従業員を抱える超巨大企業であり、国内においてはトヨタに次ぐ規模となっています。
日立といえば工作機械などでも有名ですがその事業領域は幅広く、IT関連からエネルギー産業、ビルシステムや鉄道などの大きなインフラまでを対象としています。
このように高度産業への参画によって蓄積された多様な技術と知見が、エコキュートの開発にも惜しみなく投入されているといえるでしょう。
まとめ
最後まで記事をご覧いただきありがとうございました。
この記事では日立製のエコキュートにフォーカスし、その特徴や企業としての強みについて解説しました。
エコキュートはタンクにお湯をためるという構造上、水圧が弱かったり直接の引用には適していなかったりといったデメリットがありましたが、日立製のモデルではそうした前提を覆すかのような新機軸で課題を解消してきた歴史があります。
このように高い技術力で果敢にブレイクスルーを試みていく点に、メーカーとしての大きな特徴があるといえるでしょう。
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