2022年9月2日
ガスからオール電化へ入れ替えにかかる費用を分かりやすく解説
ガスからオール電化へ入れ替えると、光熱費を節約でき、住宅のエネルギーを電気に一本化できるなどのメリットがあります。しかし、オール電化への入れ替えはある程度の費用が発生します。
そこで今回は、ガスからオール電化へ入れ替える場合の費用について解説します。オール電化にするメリット、デメリットも併せて紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
オール電化とは?
オール電化とは、住宅における給湯器システムや調理設備、冷暖房設備などを使用するためのエネルギーが、全て電気で賄われている状態のことを指します。
例えば、ガス給湯器からエコキュート、ガスコンロからIHクッキングヒーターなどに交換することが、オール電化への入れ替えになります。
新築注文なら最初からオール電化にすることが簡単にできます。また、既存住宅、あるいは中古住宅なら後からリフォームをしてオール電化住宅を目指すことは可能です。
全国のオール電化住宅の導入数は増加傾向にあり、2020年度までに764.5万戸がオール電化への入れ替えを実施し、2030年度までには1012.7万戸に到達すると予測されています。
ガスからオール電化へ入れ替える費用の目安
ガスからオール電化へ入れ替えるなら、次の住宅設備機器を入れ替えることになります。
- ガス給湯器→エコキュート
- ガスコンロ→IHクッキングヒーター
上記の入れ替えにかかる費用を順番に解説します。
ガス給湯器からエコキュートへ入れ替える費用の目安
ガス給湯器からエコキュートへ入れ替える場合、発生する費用は次の2つです。
- 本体費用
- 工事費用
エコキュートの本体費用は、メーカーや給湯タイプ、機能、貯湯タンクの容量によって異なりますが、15万円~30万円が相場です。
基本的に追い焚きや自動湯はりなど様々な機能が搭載されているフルオートタイプが高く、給湯機能しかない給湯専用タイプが安い傾向があります。また、貯湯タンクユニットが角型タイプの商品よりも、薄型エコキュートの方が高いです。
ガス給湯器からエコキュートへ入れ替える場合、次の標準工事が必要です。
工事名 | 工事内容 |
---|---|
エコキュート本体の搬入・設置・アンカー止め | エコキュートを設置場所まで輸送・取り付け |
給水・給湯配管接続 | 配管とエコキュートを接続する |
電気配線接続 | 電気配線にエコキュートを接続する |
排水管接続 | 排水管にエコキュートを接続する |
リモコン取付 | エコキュートのリモコンを住宅内に設置する |
試運転 | 問題が無いか確認をする |
基本的に上記の標準工事はどの施工業者に依頼をしても行われます。標準工事の相場は10万円~17万円となっています。
なお、ガス給湯器からエコキュートへ交換する場合は、200Vに対応している分電盤や配線への交換工事が必要になる可能性は高いです。現場の状況によっては追加工事費用として、10万円前後が追加される場合があると覚えておきましょう。
エコキュートの本体費用と工事費用をまとめると、次のような結果になります。
エコキュート | 相場の目安 |
---|---|
本体費用 | 15万円~30万円 (薄型だと1万円~5万円上乗せ) |
工事費用 | 10万円~17万円 (追加工事があると10万円上乗せ) |
つまり、ガス給湯器からエコキュートへ交換する場合、25万円~47万円が相場で、購入する機種や工事内容によっては10万円~15万円程度上乗せされると考えておきましょう。
ガスコンロからIHクッキングヒーターへ入れ替える費用の目安
ガスコンロからIHクッキングヒーターへ入れ替える場合、発生する費用は次の2つです。
- 本体費用
- 工事費用
IHクッキングヒーターはシステムキッチンに組み込むビルドイン、コンロ台の上に設置する据置、テーブルの上で使用できる卓上の3種類があります。種類によって相場は次のように異なります。
種類 | 本体費用の相場 |
---|---|
ビルドイン | 5万円~30万円 |
据置 | 1万円~16万円 |
卓上 | 3千円~5万円 |
基本的にビルドインタイプの商品は本体費用が高く、据置や卓上は安い傾向があります。また、現在使用しているコンロの種類によって、工事費用は次のように異なります。
工事費用の目安 | |
---|---|
ビルドインからビルドイン | 6万円~15万円 |
据置から据置 | 撤去費用のみ、もしくは6万円~15万円 |
据置からビルドイン | 50万円~150万円 |
ガスコンロからIHクッキングヒーターに交換する場合、既存設備の撤去や分電盤からキッチンまでの配線工事などが必要です。
また、状況によっては分電盤やアンペアブレーカーの交換も必要になるため、ビルドインのガスコンロからビルドインのIHクッキングヒーターに交換するための工事費用として6万円~15万円程度かかります。
一方で、コンロ台に置くだけの据置タイプだと、購入するIHクッキングヒーターによっては電気工事が必要ないため、撤去費用(4万円前後)のみで済むケースもあります。
ただし、据置タイプからビルドインタイプのIHクッキングヒーターに交換する場合は、システムキッチンへのリフォームが必要です。
リフォーム費用の目安は50万円~150万円と幅広く、内容によってはさらに高額になる可能性があります。そのため、据置タイプのガスコンロを使用している方でコストを抑えたいなら、同じ据置タイプのIHクッキングヒーターを選ぶようにしましょう。
つまり、ガスコンロからIHクッキングヒーターに交換する場合、ビルドインタイプ同士なら本体費用と工事費用を合わせて、11万円~45万円ほどになります。
据置タイプは電気工事が必要なければ上記よりも安くなりますが、大幅に安くなるわけではありません。
ガスからオール電化へ入れ替えるメリット
ガスからオール電化へ入れ替えるメリットは以下のとおりです。
- エネルギーを電気に一本化できる
- 火を使わないので火事のリスクが抑えられる
- 環境に優しい
上記のメリットを順番に解説します。
エネルギーを電気に一本化できる
ガスからオール電化へ入れ替える最大のメリットは、エネルギーを電気に一本化できることです。ガス会社と契約する必要が無くなり、基本料や使用料を支払わずに済みます。
また、オール電化に切り替えることで、夜間の電力料金が安い料金プランに切り替えます。次の表は東北電力のオール電化住宅向けの料金プラン「よりそう+シーズン&タイム」をまとめたものです。
電力量料金(1kWh) | |||
---|---|---|---|
オフピーク (季節によって時間帯は変動する) |
ピーク時間 (季節によって時間帯は変動する) |
夜間 (22時~8時) |
|
冬季(12月~翌年の2月) | 26.73円 (8時~16時・18時~22時) |
43.14円 (16時~18時) |
11.43円 |
夏季(7月~9月) | 26.73円 (8時~10時・17時~22時) |
43.14円 (10時~17時) |
|
その他季(3月~6月・10月~11月) | 39.22円 (10時~17時) |
電力会社にもよりますが、夜間料金は他の時間帯の電力量料金に比べて安い傾向があります。エコキュートは電気料金の安い夜間にお湯を作るため、同じ湯量でもガス給湯器よりランニングコストが安くなります。
次の表は、エコキュートとガス給湯器の光熱費を比較したものになります。
エコキュートの年間の光熱費(税込) | ガス給湯器の年間の光熱費(税込) | |
---|---|---|
北海道電力エリア | 約32,400円 | 約109,200円 |
東北電力エリア | 約21,600円 | 約104,400円 |
北陸電力エリア | 約20,400円 | 約118,800円 |
東京電力エリア | 約24,000円 | 約78,000円 |
中部電力エリア | 約24,000円 | 約87,600円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約81,600円 |
中国電力エリア | 約22,800円 | 約112,800円 |
四国電力エリア | 約28,800円 | 約99,600円 |
九州電力エリア | 約18,000円 | 約108,000円 |
沖縄電力エリア | 約10,800円 | 約54,000円 |
そのため、使い方にもよりますが電気とガスを併用している時に比べて、オール電化住宅に切り替えたことで光熱費が約4割安くなるという試算結果もあります。
火を使わないので火事のリスクが抑えられる
ガスからオール電化へ入れ替える2つ目のメリットは、安全性が高いことです。IHクッキングヒーターやエコキュートは火(ガス)を使用しない住宅機器です。
そのため、機器の故障による火事やガス漏れ、ガス爆発などが起きるリスクを抑えられます。
環境に優しい
ガスからオール電化へ入れ替える最後のメリットは、環境に優しい住宅設備機器であることです。
例えば、エコキュートは電気の力で空気の熱を取り出してお湯を作る給湯器です。ガス給湯器に比べるとCO₂排出量が抑えられているので、導入すれば地球温暖化防止に貢献できます。
つまり、ガスからオール電化へ入れ替えれば、家計を節約でき、安全性は高まり、環境に良い影響を与えることが可能です。
ガスからオール電化へ入れ替えるデメリット
ガスからオール電化へ入れ替えるデメリットは以下のとおりです。
- 停電になると多くの住宅設備機器が使用できなくなる
- IHクッキングヒーターやエコキュートの使い方に慣れる必要がある
上記のデメリットを順番に解説します。
停電になると多くの住宅設備機器が使用できなくなる
ガスからオール電化へ入れ替えると、住宅で必要なエネルギーは電気になります。そのため、何らかの事情で停電が発生すると、IHクッキングヒーターやエコキュートなど、多くの住宅設備機器が使用できません。
停電が長期に渡ると、生活がかなり不便になります。電気は他のインフラに比べて復旧しやすいイメージはありますが、停電の原因によっては数日、あるいは1週間以上続く場合があります。
実際、2018年に起きた北海道の停電は約2日間、2019年に起きた千葉の停電は全面復旧までに19日以上もかかっています。
オール電化住宅を目指す際は、自分で電力を作れる太陽光発電システムや、余剰電力を蓄電して災害に備えられる蓄電池なども検討してみましょう。
IHクッキングヒーターやエコキュートの使い方に慣れる必要がある
ガスからオール電化へ入れ替えると、IHクッキングヒーターやエコキュートの使い方に戸惑うケースがあります。
IHクッキングヒーターは内蔵されているコイルに電気を流し、調理器具自体を発熱させて調理をします。ガスコンロのように調理器具を直接熱するわけではないので、使用できる鍋やフライパンの素材が限定されます。
また、エコキュートは貯湯式給湯器のため、貯めてあるお湯を必要に応じて消費していきます。瞬間式給湯器であるガス給湯器と違って、お湯を使いすぎると湯切れが起きてしまい、しばらくお湯が使えなくなるリスクがあります。
IHクッキングヒーターやエコキュートは従来の住宅設備機器と違った使い方となるので、慣れるまでにある程度の時間が必要です。
まとめ
以上が、ガスからオール電化へ入れ替える場合の費用の解説になります。ガス給湯器からエコキュートへ入れ替える場合は25万円~47万円、ガスコンロからIHクッキングヒーターへ入れ替える場合は11万円~45万円が相場です。
上記の価格はあくまでも目安で、施工業者によって費用は異なります。エコざんまいは業界最安値に挑戦中で、エコキュートやIHクッキングヒーターなどを安心価格でご提供しております。オール電化に興味がありましたら、ぜひご連絡ください。