2023年11月10日
エコキュートは自分でメンテナンスできる?メンテナンスのやり方やポイントをわかりやすく解説
エコキュートは寿命が10年以上と言われていますが、定期的にメンテナンスを行わないと短くなる可能性があります。
そのため、エコキュートを購入したら定期的にメンテナンスを行いましょう。
本記事では、エコキュートのメンテナンスのやり方やポイントをわかりやすく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートは自分でメンテナンスできる?
エコキュートはご自身で、次のようなメンテナンスができます。
- 貯湯タンクユニットの水抜き
- ヒートポンプユニットの水抜き
- 風呂配管の清掃
- 浴槽フィルターの清掃
- 給水口ストレーナーの清掃
- 漏電遮断器の点検
- 逃し弁の点検
- 凍結防止ヒーターの動作確認
- 水漏れの点検
上記のメンテナンスはメーカーも推奨しており、半年に1回のペースで行うとエコキュートの寿命を伸ばすことができます。
エコキュートを10年以上使用したいと考えている方は、半年に1回のペースでメンテナンスを行うようにしましょう。
エコキュートを自分でメンテナンスするやり方
次項より、エコキュートを自分でメンテナンスする場合の手順を順番に解説します。
なお、メーカーやエコキュートの機種によって実際の手順と異なる場合があるので、行う際はエコキュートの取扱説明書を確認しましょう。
貯湯タンクユニットの水抜き
エコキュートは電気と空気の熱を利用してお湯を沸かすヒートポンプユニットと、沸かしたお湯を貯めておく貯湯タンクユニット、お湯の温度や給湯を管理するリモコンユニット3つに分かれています。
貯湯タンクユニットはお湯を貯めておく機器で、空気やゴミが入らないように完全に密封されています。
しかし、水道水に含まれている不純物やゴミが沈殿して、タンク内部が汚れてしまう可能性があるので、半年に1度は水抜きを行って不純物やゴミを排出します。
貯湯タンクユニットの水抜きの手順は以下のとおりです。
- 漏電遮断器をオフにする
- 給水止水栓を閉める
- 逃し弁レバーを上げる
- 排水栓を排水側に合わせて約2分間排水
- 排水栓を通常側に戻す
- 給水止水栓を開ける
- 排水ホースからお湯が連続的に出るのを確認する
- 逃し弁レバーを下げる
- 漏電遮断器をオンにする
なお、排水栓を開けたときに流れ出る排水は高温のお湯なので、触ると火傷する恐れがあるため注意しましょう。
ヒートポンプユニットの水抜き
ヒートポンプユニットにも水道水に含まれている不純物やゴミが沈殿する可能性があるので、貯水タンクユニットの水抜き時に一緒に水抜きを行いましょう。
ヒートポンプユニットの水抜きの手順は以下のとおりです。
- ヒートポンプユニットにある水抜き栓を回す
- 1分間~2分間排水する
- 排水が終わったら水抜き栓を閉める
ヒートポンプユニットの水抜きを行うときは、水抜き栓を回しすぎないように注意します。
風呂配管の清掃
エコキュートのフルオートタイプは追い焚き機能があり、浴槽内部のお湯を循環して温め直して戻すことが可能です。
水の消費量を増やさずにお湯を再び沸かすことができますが、浴槽のお湯は雑菌や不純物、ゴミなどが混じっており、配管内部に沈殿する可能性があります。
排水時に自動的に配管洗浄を行うタイプのエコキュートもありますが、半年に1度は配管用洗剤を購入して、次の手順で清掃すると良いです。
- 「ふろ自動運転」を切る
- 浴槽に風呂接続アダプターより10cm以上の地点までお湯を貯めておく
- 配管用洗剤を入れる
- 「風呂洗浄機能」を選択する
- 洗浄完了後、浴槽のお湯を抜く
- 風呂接続アダプターの上10cmまですすぎ用の水を入れて「風呂洗浄機能」を選択する
配管洗浄機能を2回行うのは、1回目が専用洗剤による配管の洗浄、2回目が洗浄した際に残っている洗剤のすすぎのためです。
なお、エコキュートメーカーによっては専用の配管洗剤を販売しており使用が推奨されていますが、ジョンソン株式会社の「ジャバ(1つ穴用)」はどのエコキュートでも使用できます。
浴槽フィルターの清掃
浴槽内部にある浴槽フィルターは、お湯に含まれている不純物やゴミを遮断する役割があります。エコキュートを使用し続けていれば不純物やゴミが溜まってしまい、目詰まりを起こす可能性があるので、定期的に掃除しましょう。
掃除する際は、フィルターを外してブラシやスポンジなどで汚れを落とします。
給水口ストレーナーの清掃
給水口ストレーナーとは、エコキュートの貯湯タンクユニットから配管に給水する際に、不純物やゴミが入りこまないためのフィルターです。
浴槽フィルターと同様に、エコキュートを使用し続けていると不純物やゴミが溜まってしまい、目詰まりを起こす可能性があるので、貯湯タンクユニットの水抜き時に一緒に掃除すると良いです。
給水口ストレーナーの場所は貯湯タンクユニットの給水専用止水栓の直上の給水接続口に付いているので、取り外す際は次の手順で行いましょう。
- 漏電遮断器を「切」にする
- 給水止水栓を閉じる
- 逃し弁レバーを上げる
- 給水口ストレーナーを外してブラシで掃除する
- 給水口ストレーナーを付ける
- 給水止水栓を開いて水漏れが起きていないか確認する
- 逃し弁レバーを戻す
- 漏電遮断器を「入」に戻す
- お湯側の混合水栓を開いて、お湯が出るか確認する
混合水栓から流れるお湯は高温の可能性があるため、触らないように注意しましょう。
漏電遮断器の点検
漏電遮断器とは、漏電時に自動的に電力の供給をストップする安全装置です。火災や感電などの事故を防止しますが、正常に作動しないと家全体に不具合が生じる可能性があるため、貯湯タンクユニットの水抜きや配管洗浄時に一緒に確認しましょう。
漏電遮断器の点検の手順は以下のとおりです。
- 漏電遮断器の「テスト」ボタンを押す
- 漏電遮断器が「切」になるのを確認する
- 漏電遮断器を「入」に戻す
漏電遮断器は貯湯タンクユニットの下部にあり、カバーが付いているので外してから行います。
逃し弁の点検
エコキュートは貯湯タンクユニットに温めたお湯を貯めておきます。水はお湯になると膨張するため、基本的には減圧されて貯めていますが、何らかの理由で減圧弁が故障したり、機能しなかったりした場合に、逃し弁からお湯が外に出ます。
逃し弁も故障してしまうと貯湯タンクユニットが圧力によって内部から変形し、水漏れや破損などの故障を招く恐れがあるので、次の手順で点検してみましょう。
- 逃し弁レバーを上下に動かす
- 逃し弁レバーを上にした時に水やお湯が出ることを確認する
- 逃し弁レバーを下に戻す
なお、逃し弁の点検はエコキュートが沸き上げを行っていないときに実行します。
凍結防止ヒーターの動作確認
エコキュートは外気温がマイナスを下回ると配管内部の水が夜間に凍ってしまう可能性があります。
そのため、冬場には凍結防止ヒーターをオンにすることが推奨されていますが、壊れてしまっていて使えない場合が考えられるので、本格的に寒くなる前に確認します。
リモコンユニットを操作して、凍結防止ヒーターがオンになるか確認してみましょう。
凍結防止ヒーターがオンにならない場合は、次の手順で凍結防止を行いつつ、エコキュートの修理を業者に依頼します。
- お湯を使わなくなったらリモコンユニットの給湯温度を水に設定する
- 1ヵ所の蛇口の給湯栓側を少しだけ開く
- 糸引き状態の水を流したまま一晩放置する
1分間にコップ1杯分(200mL)程度の水が流れ出るように調整すれば、凍結防止ヒーターがオンにならなくても凍結する心配はありません。
しかし、一晩中蛇口を開いたまま放置することになるので、早めに修理を依頼しましょう。
水漏れの点検
エコキュートは経年劣化により、配管や貯湯タンクユニットから水漏れが起きてしまう可能性があります。水漏れの程度によっては、お湯が貯まらない、給湯できないなどのトラブルに発展するため、早めに対処すべきです。
上記のメンテナンスを実行する際は、エコキュートを設置している周辺の地面が不自然に濡れていないか確認しましょう。
エコキュートのメンテナンスが重要な理由は?
エコキュートのメンテナンスが重要な理由は、エコキュートの節約効果を得るためには10年以上使用する必要があるからです。
エコキュートはメーカーや機種によって相場は異なり、工事費込みで40万円~70万円と高額な傾向があります。一方で、ガス給湯器は工事費込みの相場が15万円~25万円です。
エコキュートに買い替えた場合と、ガス給湯器に買い替えた場合の差額は25万円~45万円となっており、ガス給湯器に買い替えたほうが初期費用はお得と言えます。
しかし、エコキュートは他の給湯器に比べるとお湯を沸かすためのランニングコストが、次の表のように抑えられます。
エコキュート | ガス給湯器 | 電気温水器 | 石油給湯機 | |
---|---|---|---|---|
北海道電力エリア | 約54,000円 | 約104,400円 | 約184,800円 | 約78,000円 |
東北電力エリア | 約48,000円 | 約98,400円 | 約189,600円 | 約70,800円 |
北陸電力エリア | 約42,000円 | 約112,800円 | 約166,800円 | 約70,800円 |
東京電力エナジーパートナーエリア | 約37,200円 | 約73,200円 | 約158,400円 | 約81,600円 |
中部電力エリア | 約25,200円 | 約81,600円 | 約100,800円 | 約67,200円 |
関西電力エリア | 約20,400円 | 約75,600円 | 約87,600円 | 約63,600円 |
中国電力エリア | 約43,200円 | 約108,000円 | 約176,400円 | 約67,200円 |
四国電力エリア | 約44,400円 | 約93,600円 | 約193,200円 | 約66,000円 |
九州電力エリア | 約20,400円 | 約102,000円 | 約84,000円 | 約64,800円 |
沖縄電力エリア | 約27,600円 | 約62,400円 | 不明 | 約55,200円 |
実際のランニングコストは給湯器の性能や家族の人数などによって異なりますが、エコキュートのランニングコストが抑えられているのが分かります。
地域によって異なりますが、ガス給湯器に比べてエコキュートは年間5万円~8万円程度の節約効果を期待でき、10年間で50万円~80万円の節約が見込めます。
つまり、エコキュートを10年以上使用し続ければ初期費用の差額25万円~45万円を回収でき、さらに支出を節約できる可能性は十分あります。
エコキュートで節約効果を得たいなら、10年以上は使用し続けることが条件となっており、寿命を伸ばすためにもメンテナンスを定期的に行うことは重要です。
メンテナンス以外にやっておくことは?
エコキュートを長持ちさせるためには、メンテナンス以外にメーカーに点検を依頼しましょう。
メーカーの点検なら、メンテナンスだけで分からない故障や不具合などを早期に発見でき、対処できる可能性があります。そのため、1年~3年に1回のペースで良いので、メーカーに点検を依頼しましょう。
なお、点検はメーカーによって金額は異なりますが、1万円~2万円程度かかります。
まとめ
以上が、エコキュートのメンテナンスの解説になります。エコキュートは10年以上使用し続ければ節約効果を得られるため、6ヵ月に1回のペースで次のメンテナンスを行いましょう。
- 貯湯タンクユニットの水抜き
- ヒートポンプユニットの水抜き
- 風呂配管の清掃
- 浴槽フィルターの清掃
- 給水口ストレーナーの清掃
- 漏電遮断器の点検
- 逃し弁の点検
- 凍結防止ヒーターの動作確認
- 水漏れの点検
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