2024年3月22日
エコキュートってどんな風に故障するの?故障した事例や故障した場合の対処法などを解説
エコキュートは電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器で、お湯を沸かすためのランニングコストが抑えられています。メリットの多い給湯器ですが、使い続けていると故障する可能性があります。
そこで今回は、エコキュートが故障した事例を紹介します。故障した場合の対処法も解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
エコキュートが故障した事例
実際にエコキュートを使用していて故障した事例を順番に紹介します。
ケース①普段よりもお湯を多く沸かした
「定年退職した夫と二人で暮らしている家に、夏休みで孫たちが遊びに来ました。普段よりも多めにお湯を沸かしていたら、急にエラーが表示されてお湯が出なくなってしまったので困りました。夜に業者に来てもらって応急処置をしてもらって、孫が帰るまで乗り切りましたが、弁の破損で本格的な修理か、買い替えが必要と言われています」
エコキュートはAI制御により、毎日必要な量のお湯を沸かします。
上記の事例のようにお湯の消費量が増える場合は手動で沸かす量を増やすことができますが、機器に負荷をかける場合があり、故障に繋がる可能性は否定できません。
ケース②お湯が沸かない
「購入してから10年以上経過したエコキュートが壊れてしまったようです。エラーコードが表示されるわけではないのですが、いつもなら午前6時までにお湯が沸いているはずなのに、一日中沸き上げ中の表示です。沸き上げ中なのでお湯が出ず、風呂に入れないで困っています」
エコキュートの寿命は10年と言われています。
家庭によっては15年以上使用できたというケースもありますが、大抵の場合は10年~13年で故障が頻発して買い替えることが多いです。
そのため、10年が経過したら点検を依頼し、場合によっては買い替えも検討してみましょう。
ケース③古くて修理用の部品がない
「賃貸で借りている住宅のエコキュートが故障しました。入居した時から異音や妙な振動があって、大家に相談していたのですが、点検やメンテナンスを受ける前にエラーコードが繰り返し表示されるようになってしまいました。大家を経由して施工業者に来てもらったのですが、古い機種らしく修理用の部品がなくて応急処置も難しいと言われました」
エコキュートの寿命が10年と言われる理由の1つに、メーカー側が10年を目安に修理部品の生産を終了し、廃棄する傾向があるからです。
修理部品が無くなれば、修理できません。そのため、メーカーも10年を目安にエコキュートの買い替えを推奨しています。
ケース④水漏れが起きる
「隣家から水が流れてきているという苦情を受けて見に行ったら、貯湯タンクから伸びている配管周りが濡れていました。どうやら、シャワーやお湯はりなどで給湯するときに漏れ出しているようです。とりあえず、応急処置をしましたが、本格的な修理が必要になりそうで面倒です」
エコキュートの故障の事例として最も多いのは「お湯が沸かない」です。大抵の場合は、内部の弁や基盤が故障しているため、物理的にお湯を沸かすことができません。
次いで「お湯の勢いが弱い」「お湯がすぐになくなる」など湯量に関係したトラブルが発生しやすく、原因はセンサーの故障か配管の水漏れが考えられます。
配管から水漏れが起きていると、上記の事例のように隣家まで水が流れてしまう可能性があるため、定期的にエコキュートの周りの地面が不自然に濡れていないか確認しましょう。
ケース⑤お湯の勢いが弱い
「昨日までは普段通りの勢いでお湯が出ていたのですが、今日になって急にお湯の出が少なくなりました。全く出ないわけではないので、皿洗いぐらいの家事はこなせますが、シャワーやお湯はりが出来ません。速く修理してもらいたいです」
お湯の出が弱い場合はセンサーの不具合や水漏れなどが考えられます。どちらも、本格的な修理が必要になる故障のため、メーカーや施工業者に相談しましょう。
ケース⑥冬になると調子が悪くなる
「11月~2月は一面雪景色になる豪雪地帯に住んでいます。気温もマイナスを下回る日が続くため、寒冷地仕様のエコキュートを購入して、凍結対策もしています。しかし、寒くなるとエコキュートから異音が聞こえるようになり、数年に1度のペースで壊れてしまいます」
エコキュートは電気と空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器です。
空気の熱を利用しているため、外気温が低くなってくると給湯効率が下がってしまう傾向があります。
冬になって給湯効率が下がると、エコキュートは普段よりも負荷を受けながらお湯を沸かしているということになるので、故障する確率が高くなる時期です。
そのため、エコキュートを使用している方は、なるべく本格的に寒くなる前に点検を依頼して、備えておきましょう。
ケース⑦リモコンが故障した
「10年以上使用しているエコキュートのリモコンが故障しました。貯湯タンクやヒートポンプは問題ないのか、蛇口を捻ればお湯が出ますが、フルオートタイプなのでお湯はりが出来なくて不便です」
エコキュートはお湯を沸かすヒートポンプユニット、お湯を溜めておく貯湯タンクユニット、湯温や湯量をコントロールするリモコンユニットの3つで構成されています。
故障しやすいのは精密部品によって組み立てられているヒートポンプユニットですが、リモコンユニットも故障する傾向があります。
フルオートタイプやオートタイプはボタンでお湯はりをする給湯器のため、リモコンユニットが故障すると機能の大半が使えません。リモコンユニットの調子が悪いなと思ったら、メンテナンスを依頼してみましょう。
ケース⑧配管に亀裂が入った
「エコキュートを購入してから初めての冬を迎えました。事前に設置業者から凍結する可能性を聞いていたのですが、すっかり忘れて放置していたら、風呂配管が凍結してしまい、慌てて熱湯をかけたら亀裂が入ってしまったようです。私のミスと頭では分かっていますが、購入1年未満での修理依頼にテンションが下がりました」
エコキュートは風呂配管にお湯が溜まっているため、外気温がマイナスを下回ると凍結する可能性があります。そのため、メーカー側は凍結対策をおこない、仮に凍結した場合でも自然解凍されるまで待つようにとアナウンスしています。
上記のように、凍結した配管に熱湯を直接かけてしまうと亀裂が起きる可能性があるため、止めましょう。
ケース⑨地震の後に動かなくなった
「先日起きた地震の後片付けが終わり、さあ風呂に入ろうと思ったのですが、エラーコードが表示されてお湯が沸かないというトラブルが発生しました。調べてみると、沸き上げ三方弁の異常とやらで、すぐに修理を依頼して交換してもらいました。どうやら、地震で機器は倒れずに済んだのですが、内部に負荷がかかって壊れてしまったようです」
主要なエコキュートメーカーの最新エコキュートは地震対策が施されており、大きな地震が発生しても倒れにくい傾向があります。
一方で、内部の部品が地震の影響を受けて故障してしまうというケースは少なからず報告されています。
大きな地震の被害を受けた場合は、エコキュートが倒れていなくても、点検を受けたほうが良いです。
ケース⑩事故による破損
「珍しく雪が積もった年にお湯を使おうとしたら、エラーコードが表示されました。何かあったのかと思って見に行ったら、屋根から落ちた雪でヒートポンプがへこんでいました。幸い、同じヒートポンプがすぐに手配できたので当日中に問題は解決できましたが、びっくりしました」
エコキュートは外に設置する給湯器のため、落下物や飛来物などで破損するケースは少なくありません。
特に、屋根に積もった雪が落下して破損するケースは多く、雪が降る地域では防雪屋根の設置がおすすめです。
故障した場合の対処法
エコキュートが故障した場合の対処法は以下のとおりです。
- エラーコードを確認する
- 修理を依頼する
- 買い換えを検討する
上記を順番に解説します。
エラーコードを確認する
エラーコードとは、エコキュートに起きている不具合を示す英数字の組み合わせです。
リモコンユニットに表示されており、取扱説明書や公式ホームページに記載されている内容とエラーコードを照らし合わせれば、故障箇所や対処法が分かります。
故障の内容によってはご自身で対処できる場合もあるため、まずはエラーコードを確認して、故障の内容を調べてみましょう。
なお、エコキュートメーカーによってエラーコードの組み合わせと意味は異なります。同じエラーコードでも意味が違う場合があるため、調べるときは使用しているメーカーのエラーコードを確認しましょう。
修理を依頼する
エコキュートでトラブルが起き、エラーコードが表示されていて、修理業者を呼ぶ指示が書いてあるなら、速やかに修理業者を呼びましょう。
エコキュートの修理業者はメーカーと施工業者があり、次のような違いがあります。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
メーカー | 修理部品を保管している 製品に関して熟知している |
すぐに来るとは限らない |
施工業者 | 注文を出しているため、すぐに対応する場合がある 買い替えの相談がしやすい |
修理部品をメーカーから取り寄せる場合、時間がかかる |
メーカーなら修理部品を保管しており、製品に関して熟知しているため、修理が短時間で終わる可能性があります。ただし、時期によっては混み合っており、すぐに来るとは限りません。
エコキュートを設置した施工業者は、一度注文を出しているためすぐに対応できる場合があります。また、修理できない場合でも、買い替えの相談がしやすいです。
ただし、修理部品が手元になければ、メーカーに問い合わせてからの対応となるため、修理できるまでに時間がかかります。
なお、メーカーの保証期間内なら、メーカーに修理を依頼すれば修理費用が無料になる可能性が高いです。メーカーの保証期間外で、メーカーがすぐに対応できない場合はエコキュートを設置した施工業者に相談してみましょう。
買い換えを検討する
エコキュートは10年を経過すると故障する確率が高くなり、修理部品が無くなっていくため修理できない可能性も増えていきます。
そのため、販売してから10年を経過したエコキュートを使用している方は、買い替えも選択肢に入れましょう。
施工業者によっては即日納品に対応しているため、すぐに新しいエコキュートを設置できます。
まとめ
以上が、エコキュートが故障した事例の解説です。エコキュートは普段と違う使い方をする、寒い時期を迎えるなどの負荷がかかりやすい状況になると故障する可能性が高くなると覚えておきましょう。
故障したと思ったら、まずはエラーコードを確認して修理業者を呼ぶかどうかを確認します。修理業者にはメリットやデメリットがあるので、状況に合わせて選ぶと良いです。
なお、修理業者を呼んでも修理できるとは限らないので、買い替えも検討しましょう。
「エコざんまい」では、エコキュートに関する知識が豊富なスタッフが対応いたします。メーカー保証と同等の修理を提供する有償保証もあるので、エコキュートの購入を考えている方は、ぜひご相談ください。