2024年5月21日
おひさまエコキュートは何がいいの?メリット・デメリットについて詳しく解説!
東京都で新規に建設する住宅に太陽光発電の設置が義務付けられている事からわかるように、太陽光発電は生活に必要な設備の一つとなりつつあります。太陽光発電と相性が良い設備がおひさまエコキュートです。
名前はとても可愛らしいのですが、上手に使いこなすと家計の負担をかなり軽減することができる優れモノです。今回はおひさまエコキュートがどのようなものか、メリット・デメリットなどを中心にわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
おひさまエコキュートとは
おひさまエコキュートとは、太陽光発電とエコキュートを連携させた高効率給湯器です。従来型のものと何が違うのでしょうか。ここでは、従来型との共通点や相違点、初期費用について解説します。
従来のエコキュートとの共通点と相違点
エコキュートは2001年4月にコロナが開発した給湯機で、正式名称を「自然冷媒ヒートポンプ給湯器」といいます。省エネや二酸化炭素の排出削減の必要性がクローズアップするにつれ、導入数が増えています。一方、おひさまエコキュートは近年になって開発された新しいタイプです。両者の共通点と相違点を見てみましょう。
共通点
両者の共通点は以下の2つです。
- ヒートポンプを使って給湯する
- 電気温水器よりもランニングコストが安い
どちらも、ヒートポンプの仕組みを使って給湯する機器です。ヒートポンプとは、空気が持っている熱を利用して空調や給湯を行う技術のことです。ヒートポンプを動かすための電気は必要ですが、空気中の熱を利用できるため使用する電気エネルギーの3倍もの熱エネルギーでお湯を沸かすことができます。
従来型の電気温水器はお湯を沸かすためのエネルギーの全てを電力で賄ってきたため、ヒートポンプの3倍から4倍の電気代がかかってしまいます。従来型のエコキュートにせよ、おひさまエコキュートにせよ、どちらであっても電気温水器よりもランニングコストを安く抑えられるでしょう。
相違点
両者の相違点は以下の2つです。
- おもに昼間にお湯を沸き上げる
- 太陽光発電が必須
一番の違いは昼間にお湯を沸かすことです。従来型のエコキュートは電力会社の電力プランのうち夜間に電気代が安くなるプランを選択して、夜にお湯を沸き上げていました。しかし、太陽光発電を利用するおひさまエコキュートは昼間にお湯を沸き上げます。
では、昼間にお湯を沸かすメリットは何でしょうか。1つ目のメリットは放熱ロスが少ないことです。夜間にお湯を沸かす従来型の場合、お湯を最も利用する夕方から夜までの時間が長くなるため熱が逃げてしまいます。しかし、昼に湯を沸かすおひさまエコキュートの場合は、使用するまでの時間が短くなるため放熱量が少なくロスを減らせるのです。
2つ目のメリットは暖かい昼間の空気を使用してお湯を沸かすため、ヒートポンプの効率を高められることです。夜間に沸き上げる従来型に比べると6〜9%も省エネ性能が向上するというデータもあることを踏まえると、消費電力量を削減する効果も期待できるでしょう。
おひさまエコキュートの初期費用
おひさまエコキュートを導入するにはどの程度の費用を見込むべきなのでしょうか。主な費用項目は以下のとおりです。
- 機器本体の費用
- 設置工事費
- 太陽光発電の設置費用
後ほど詳しく説明しますが、おひさまエコキュートは太陽光発電が必ず必要となる給湯器であるため、その分の追加設置が必要となります。
本体価格の目安はおよそ税込100万円程度、工事費は設置場所によってかなり幅があります。太陽光発電システムは100~150万円程度かかりますので、合計で300万円近くの費用を見込まなければなりません。
おひさまエコキュートの6つのメリット
先ほど見たとおり、おひさまエコキュートは決して安い買い物ではありません。しかし、それに見合うだけのメリットを兼ね備えています。ここでは、6つのメリットについて紹介します。
太陽光発電の自家消費を増やせる
1つ目のメリットは太陽光発電の自家消費量を増やすことができる点です。太陽光発電で生み出した電力は自宅での消費である自家消費に回されますが、それ以上の電力(余剰電力)は電力会社に売却されます。
かつては、余剰電力の売電だけでも十分に利益を得ることができました。しかし、売電価格は年々低下しています。2023年度の10kW未満の電力買取価格は1kWhあたり16円、2025年度は15円となっています。となっています。10年前の2013年の買取価格が38円であったことを考えると、買取価格が半額以下となっていることがわかります。
そのため、最近では太陽光発電の電力を自家消費に回す動きが強まっています。昼間に稼働するおひさまエコキュートがあれば、余剰電力を有効活用することができます。
電気代が高騰しても光熱費が上がりにくい
2つ目のメリットは電気代が高騰しても光熱費が上がりにくいことです。2021年から2022年にかけて、電気料金が大幅に上昇しました。資源エネルギー庁が出している資料を見ると、国が認可する規制料金で、約1.28倍も電気料金が上がりました。
参考:資源エネルギー庁
電気料金が高騰した主な理由は燃料費の高騰や円安です。ウクライナ戦争の影響で天然ガス価格が高騰したことや、急速な円安の進行により火力発電の燃料である天然ガスや石炭の価格が上昇したため、電気代の値上がりにつながったといってよいでしょう。
こうした理由は個人で対応するのが難しいため、節電を行って電力料金を減らすしか対策がありませんでした。おひさまエコキュートを利用すれば太陽光発電の余剰電力を使用できるため、電力会社から電気を購入する量が少なくなり電気代を削減することができます。
停電時でもお湯を沸かせる
3つ目のメリットは停電時でもお湯を沸かせることです。エコキュートは災害時でも貯湯タンクにある水を使用できるというメリットはありますが、電気が止まってしまえばお湯を沸かすことができません。
しかし、太陽光発電とリンクしているおひさまエコキュートなら、外部からの電力供給がなくなっても発電した電気を使ってお湯を沸かせます。
二酸化炭素の排出量を削減できる
4つ目のメリットは二酸化炭素の排出量を削減できることです。現在、日本の電力の72%は火力発電に依存しています。具体的には天然ガスが33%、石炭が31%、石油が8%となっています。これらの燃料は燃やすと二酸化炭素を発生させる化石燃料です。
一方、太陽光発電は二酸化炭素を排出しないため環境負荷が小さいと考えられています。電力会社からの電力購入を削減し、太陽光発電由来の電気を使用することで二酸化炭素の排出削減に協力することができるでしょう。
騒音トラブルの発生確率を減らすことができる
5つ目のメリットは騒音トラブルの発生確率を減らせることです。エコキュートは稼働時に低周波音を発生させてしまうため、音がうるさいというクレームのもととなることがあります。
エコキュートの稼働音そのものは40dB程度で決して大きいわけではありません。しかし、発生する時間が夜間であることや、発生する音の種類が人に不快感や圧迫感を与えやすい低周波であるため、騒音トラブルのもととなるのです。
おひさまエコキュートは多くの人が活動している昼間に稼働するため、夜間に稼働する従来型と比べると騒音として認識される可能性が低くなり、トラブルの発生確率を抑えることができるでしょう。
ただし、夜間よりも気になりにくいというだけであり低周波音そのものの発生が抑えられるわけではないため、100%騒音を抑えられるわけではない点に注意が必要です。
再エネ賦課金を支払わなくてもよい
6つ目のメリットは再エネ賦課金を支払う必要がないことです。再エネ賦課金とは、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーによる発電を今以上に普及させるため、電力料金に上乗せされている賦課金のことです。電力会社から電力を購入する以上、再エネ賦課金は必ず支払わなければなりません。
しかし、太陽光発電のように自宅で発電した電気を使用する場合は電力会社から電気を買うわけではないため、再エネ賦課金を支払う必要がありません。その分、電気代を削減することができるでしょう。
おひさまエコキュートのデメリット
おひさまエコキュートには数々のメリットがあることがわかりました。しかし、注意しなければならないデメリットも存在します。ここでは、2つのデメリットを取り上げます。
太陽光発電の導入が必要で初期費用がかさむ
最も大きなデメリットは初期費用がかさむことです。おひさまエコキュートは比較的新しいため、本体価格が高めであることに加えて太陽光発電システムも設置しなければならないことから、従来型に比べると2〜3倍近い費用を見込まなければなりません。
ただし、もともと太陽光発電を設置しているのであればその分の費用を考慮する必要がなくなるため、導入がしやすくなるでしょう。
発電量が天候に左右される
天候によって発電量が左右されるという点もデメリットといえます。曇りの日であれば晴れの日の20〜30%程度、雨の日であれば10%程度まで発電量が低下してしまいます。晴天日数が少ない地域の場合、光熱費の節約効果が思ったほど得られないかもしれませんので注意しましょう。
まとめ
今回はおひさまエコキュートと従来型の共通点や相違点、おひさまエコキュートのメリット・デメリットについて解説しました。太陽光発電と組み合わせた給湯システムであるおひさまエコキュートは、エネルギーを効率よく使用する仕組みとしてとても優れていますので、選択肢の一つとして検討してもよいでしょう。
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